熊谷守一
熊谷守一と言う画家はいつだったか池袋の地下街を歩いている時に、壁面に小さな額が飾られているのを目に留めたことがあった。
何の絵だったか、柿だったか猫だったか。
線も色もシンプルで通り過ぎると何が描かれているのか分からない程だった。
たぶん柿だ。
渋い橙色と草色と単純な線が目から頭の中に広がった。
映画が公開されると知ったの去年だったと思う。
熊谷守一を山崎努が演じると言う。
地面に顔を横にしている写真を見た。
これは見なきゃなと思っていた。
近代美術館だかで熊谷の展覧会があると知った。
でも何となくちょっとアレだ。
調べているうちに熊谷守一美術館が沿線にあることを知った。
椎名町から8分。
実際は10分以上掛かって美術館についた。
とても静かな住宅街にある。
一階には池袋の地下街で見たのと似た絵がある。
それ以前の油もあった。
二階は書や日本画。
三階に上がったら線で描かれた絵が。
ほとんどピカソかと思われるようなものもある。
入って右のコーナーに熊谷守一還暦のポートレートがあった。
白黒でもチャンチャンコと頭巾が赤いのが分かる。
その還暦の熊谷守一に睨まれた。
彼の絵は70になっても80になっても衰えることを知らず、90を超えても瑞々しい力強いタッチで迫ってくる。
おいっ!
おまえっ!
そんな声が聞こえた。
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