アレクサンダーテクニーク個人レッスン
写真は左:ビフォー 右:アフターです。
ピアノを前に座った時の姿勢を見てもらいたいといらっしゃいました。
写真だけみると、左は少し前かがみ、右は上半身が立っているように見えます。
「もう少し上半身を立たせて。」
そうアドバイスすれば済むことかもしれません。
でも、ここではそういうアドバイスはしていません。
個人レッスンの前半と後半で座ってもらったらこうなったということです。
どうして体を立ててと言わないのに、前かがみにならなかったのか。
そこがポイントです。
アレクサンダーテクニークは体験の中から学んでいきます。
個人レッスンでは自分がどうなっているのか、体の感覚や時に気持ちの状態なども聞きます。
分からない、というのでも構いません。
前と同じというのでも構いません。
その感覚から始めるようにしています。
自分に何が起きているのか、どんな状態なのかを観察して感じるところから始めます。
レッスンの中では手で触れるハンズオンワークという手法をよく使います。
肩口や首や腰の部分に手で触れます。
押したり揉んだり調整したりはしません。
ただ触れる。
触れることで自分を感じやすくなることがあるかもしれないし。
何かに気が付くかもしれません。
また、立ったり座ったり歩いたり、基本的な体の使い方をやってみたりもします。
横になって触れることもあります。
その中で自分に気づき、気づいたところから何かを始めてみる。
そんなことをやっています。
ピアノの前に座るのはとても大きな刺激のあることです。
普段はそんな風に考えたり感じたりしませんが、プレッシャーを感じるかもしれないし、上手く弾こうと考えるかもしれない。
譜面は見えるか?と思うかもしれないし、誰かの視線を感じるかもしれません。
その刺激に対して自分がどんな風に反応したり動いたりしているのか。
いつもは気にしていないことを、少しはっきりとさせる作業から始めます。
なんだこんなことやってたんだ、ということがあるかもしれないし。
どうしてもこれは外せないということもあるかもしれません。
その時の体の状態をまた観察する。
何も感じないこともありますが、感じ分かるようになってくると、面白いと思えることもあります。
そうやって自分を見つめることがアレクサンダーテクニークの一つの側面です。
写真を見ると、左と右の違いは姿勢だけではありません。
ピアノに向かう気持ちのようなものも見えてきます。
自分の注意がどこに向いているのかもわかります。
アレクサンダーテクニークは自分を再発見する方法でもあります。
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