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股関節の話

読了までの目安時間:約 6分

患者さんに股関節の位置を確認すると様々な答えが返ってきます。
大転子だったり大腿筋膜張筋だったり。
以前に一人、恥骨結合を股関節だと思っていた方がいました。
触れてみて硬くなってる所や、曲がり角になっている部分を股関節だと思っている方が多いようです。
当然です。
股関節は曲がる場所だと思っている訳ですから。
確かに体を外から見ればそこで曲がります。
でも、以前にも書いたように股関節は曲がりません。
股関節は回る関節です。( 詳しくは >>> 股関節は曲がらない )
それに。
別に股関節の場所を正確に知らなくても生きて行けます。
でも整体師やセラピストはそうは行きませんし、運動をしている人やダンスやバレエの人、体に痛みがあったり歩き方が変だと言われたりする人もそう。
なので、股関節の話です。


骨盤・てあて整体スクール


股関節は骨盤の左右にある大きな関節です。
骨盤側は臼蓋(きゅうがい)と呼ばれるお椀を斜め寝かせたような形のものと、骨頭と呼ばれる太ももの骨(大腿骨)の一番上側で出来た関節です。
骨頭は球に近い形をしているので球関節などと言われます。
肩関節も球関節ですけど、肩関節の一方は臼蓋のようにお椀形になっていなくて、お皿のような骨と球形の骨頭が隣り合っています。


位置は腰の前の左右のグリグリ(前上腸骨棘)と恥骨結合のを繋いだ真ん中辺りの奥、大転子の斜め上奥あたりにあります。
太ももの骨(大腿骨)の上は真っ直ぐではなくて、斜め内側上に折れ曲がっていて、その折れ曲がった一番先に球形の骨頭があります。
位置のイメージが違っていると動きが変わります。
大転子を動かそうとしたり、大腿筋膜張筋から曲げようとしたりすると、本来の動きよりも効率が悪くなったりします。
患者さんによってはこのイメージを変えるだけで、股関節周りの痛みが軽減する方もいます。
また、日本語の股関節は股(また)の側の関節と言うイメージですが、英語ではヒップジョイントとも言われるので、お尻の側と言うイメージに変えるだけでも変わることがあります。


Y靭帯・てあて整体スクール

股関節の特徴は臼蓋と大腿骨をつないでいる靭帯です。
臼蓋の周りから骨頭や大腿骨頸部を包んで大腿骨まで繋がっている靭帯は、腸骨大腿靭帯とかY靭帯と呼ばれます。
骨盤と太ももの骨(大腿骨)が立っている時(立位)の位置関係にある時、腸骨大腿靭帯は捻れていて「Y字」のように見えます。
ここが最大のポイント。
四肢のうち上肢の肩関節の靭帯は、立位の時(腕が床に下がっている)捻れていません。
腸骨大腿靭帯の捻じれは進化の過程で、四足だった哺乳類が直立二足歩行になったことと関係しています。
捻れている事の何がポイントなんでしょう。


Y靭帯のねじれ・てあて整体スクール

Y靭帯の捻じれが取れる位置は、股関節を45度くらい曲げた位置です。
軽く股関節からお辞儀をした位置、膝を軽く持ち上げた位置でもあります。
こうすると股関節が少し緩むのが分かります。
臼蓋と骨頭が少し離れるような関係になります。
靭帯は伸び縮みを殆どしない組織ですから、股関節が曲がった位置から伸ばした位置にする(お辞儀から上体を上げてくる)と、臼蓋と骨頭は近づきます。
ネジを絞めるようなイメージ。
臼蓋と骨頭が近づき、これを繋いでいる靭帯が捩れると股関節はどうなるか。
しっかりと固定されたような感じになります。
股関節を伸ばして立っていると、股関節はしっかりと嵌り込み、股関節が安定することになるんですね。


歩くときはどうか。
歩くときには脚が後ろに残ります。
脚が後ろに残っている状態は、股関節のY靭帯がより捩れる位置になります。
そうすると立っているときよりも、もっと嵌り込み締まっていくことになる。
そこで、後ろ足を地面から離すだけで、捻じれのない位置まで脚は振り子のように振られることになります。
脚が後ろに残っているとき、腸腰筋や内転筋群などは引っ張られることになります。
後ろ脚が地面を離れれば、伸びていたこれらの筋肉は元の長さに戻ろうと、後ろ脚を前に引っ張ることになります。
つまり、歩くときには脚を後ろに残すだけで、筋肉を殆ど使わなくても歩けると言うことになります。
もちろん、少しは使いますけどね。


股関節は上半身と下半身を繋いでいる関節です。
体を前に傾けるときなどは股関節を使うと楽に傾けます。
でも、腰から曲げる人が多い。
これも見た目からの誤解が生んでいることです。
この誤解を解いて股関節から使うようになると、腰痛がなくなることが良くあります。
詳しくは「股関節は曲がらない」のページに書きました。
( 股関節は曲がらない >>> )
股関節の動きが悪くなることは、移動手段としての歩行が上手くいかなくなることを意味しています。
老化は股関節からなんて言われたりする、こともあります。
股関節を柔らかくしておくことが健康に繋がると言うのは、構造からも分かることです。
股関節の形にも面白いことがあります。
それはまたいつか。


※参考:プロメテウス解剖学アトラス

 

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