開業へのプロセス
新卒で就職してから一つの組織でずっと働き続け、他の会社や社会を全く知らないんです。
「開業へのプロセス」が分からないので、お話を聞きたい。
とスクール見学に来た方に聞かれました。
開業と言えども、どんな種類の話が聞きたいのかが分からなかったので、幾つかの話をしました。
整体師は国家資格になっていない民間資格の仕事です。
なので開業する時に所轄の官庁への届出はありません。
接骨院やあんまマッサージ院などは保健所への事前届出が必要ですが、それが民間療法ではありません。
代わりにというか、会社をやめて仕事を始める時には、「開業届」を所轄の税務署に届け出る必要があります。
これは、今度、新たに仕事を始めるので税金を納める可能性があります、という宣誓みたいなもんですね。
開業というと店舗を借りて始めるイメージがある人がいますが、さまざまな形態があります。
副業として始める場合は、自分の休日や夜や朝の時間を利用して仕事として始めるパターンです。
この場合は自宅の一室やレンタルルームを借りる、または出張で始めるという人が多いようです。
また、知り合いに整体をやってお金を頂くのも開業です。
金額の多寡によらず、代金が発生したら開業と思っておくことです。
それは整体師としても納税者としてもです。
店舗を借りる場合もあります。
店舗を借りる場合は、物件探しから始まります。
整体など不特定多数が出入りする場合、商業店舗なら構いませんが、マンションやアパートで始めたい場合は、不動産家さんに整体をするからと言って探す必要があります。
気に入った物件でも、整体や商売はダメということもあるし、良かったとしても看板が出せなかったり表札に表示出来なかったりする事があります。
物件探しには2ヶ月程度時間を考えておきます。
すぐに決まる場合もありますが、実際に見に行ったりを考えるとそれくらいの時間は必要になります。
開業時期が2・3年後の場合は、3ヶ月単位くらいの計画を立てておく必要があります。
勉強の時期、臨床経験の時期、物件探しの時期、店作りの時期、SNSなど始める時期などなどです。
もし一年以内に開業を考えている場合は、月単位で同じような計画が必要です。
のんびりしていると一年はあっという間に過ぎていきます。
月別の計画を立てて、修正しながらやっていくようにして下さい。
そして一番大切な事。
開業を決めたら最初にする事は、整体・開業で何をやりたいか、です。
開業自体が目的になっていると、失敗する事が多いように思います。
開業自体は誰でもすぐに出来ます。
届出もない訳ですから、手を挙げて開業しましたと言えば、それで開業です。
これでは患者も来ないし、認知もされません。
整体で開業して、何をやりたいか。
どんな人に何を届けたいか。
誰にどんな風になってもらいたいか。
そこを決めておきます。
主婦にゆっくりしてもらいたいのであれば、整体だけでなくリラックスする方法の提案も必要かもしれないし、アロマを教えたり提案したりも出来るかもしれない。
お子さんが静かになったり眠るためのグッズを教えたりするのもありかもしれない。
目的があって初めて、具体的に何をするかが決まります。
店の場所を決めるにも、料金設定するにも、営業時間を決めるにも、宣伝用のSNSを決めるにも、目的が必要です。
闇雲に開業を目指すのではなく、自分が整体の開業で何をしたいのかが大切です。
というような話をしました。
聞きたい事にはある程度答えられたようです。
開業を目指している人には、個別に話を聞いてアドバイスしています。
何でも聞いて下さい。
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