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身体について最近考えている事

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整体とアレクサンダーテクニークを仕事にしているという事もあり、身体についていろいろとよく考えます。
今年になってどんどん煮詰まってきた事があります。

身体と環境や習慣についての事です。

人の身体は狩猟採集に適するように進化していて、今も狩猟採集に向いた身体を持っていると言われています。
これに反して現代人の周りの環境は、狩猟採集時代とは全く違う状況になって来ています。
地面は凸凹や様々な素材ではなく、概ね平坦になり硬さも均質になりました。
気温や湿度も室内ではある程度一定に保たれるようになっている。
明るさも夜も明るいのが普通になり、自由に明度を変える事が出来ます。

スーパーカーで制限速度40キロの道を走っているような状態と言えば良いんでしょうか。
人の身体はさまざまな状況に対応出来る機能を持っていますが、多くの部分は使われないようになっています。
25個以上の骨で出来ている足部は、靴下という袋に入れられ、靴というカバーをされて、動きが制限されています。
テーラードのジャケットやシャツなどは腕(袖付)が斜め下に降りるようにつけられていて、実は腕が上げにくい形状をしています。
階段は同じ段差で出来ているので、ある特定の筋肉を使って登る事が出来ます。
逆に言えば、特定の筋肉以外は使わない状態になっているとも言えます。

人の身体が沢山持っている機能は、多くが使われていないという事です。

多くの機能を使わない事は、エネルギー消費を少なく楽に動けるという事ではあります。
それと反対に使わない機能は、使いづらくなる事が考えられます。
使っていない筋肉を固めていたとしたら、その筋肉は硬くなり動きづらくなって来ます。
猫背や反り腰など姿勢が気になる人は、普段から関節や筋肉を動かしていないのかもしれません。

姿勢や体の使い方についてはちょっと別の事も考えます。
習慣です。
人が動きを学習するのは、誰かの動きを見る事がとても大きな影響を与えます。
ミラーニューロンという神経があって、親の動き(姿勢や話し方も含め)を見ていて、それが似てくるのは、動きを学習する教師データが親だからだと思います。
そしてそれは習慣になり癖になり、結局はその人らしさと言われたりもします。
また、習慣は見た物だけで出来る訳ではありません。
机や椅子など、何かをするために作られたものの形状によって、作られる事もあると思います。
殆ど全ての身の回りのものが人工的に作られていて、それを使って生活している事が、今の自分の使い方の習慣の原因になっている可能性がある。

高度経済成長の時期に文化住宅というのが出来ました。
フローリング(板の間)が出来て、テーブルと椅子が置かれました。
その時、姿勢を教えるお爺さんお婆さんは、畳の上に座っていて椅子の座り方を知りませんでした。
(座り方の姿勢や体の使い方の話)
その後、バブルの時期にはマンションが多く出来て、ほとんどの家がフローリングばかりになり、畳の部屋が激減しました。
そのフローリングの部屋で床に座る習慣が出来ます。
板の間のテーブルで椅子の座り方を教えられなかった人たちが、フローリングで床の上に座るようになった。
そしてこの時期を通じて、姿勢を教える教育がほとんどなくなって来ました。
これ、荒木の偏見かもしれません。
でも、学校で姿勢を正すように言われた世代は、もう50代以上なんじゃないかと思います。
誰からも姿勢を教えられず、崩れた座り方の親を見た世代は、姿勢がどんどん悪くなっているように見えます。

整体では硬くなったところを緩め、歪んだところを戻し、動きの悪い関節の動きを出します。
それは元々使えていたものを使えるように戻すというイメージです。
体の使い方をいろいろと教えるのは、持っている機能を十分に使う事で、体の元々の状態に近づくと考えているところがあります。
アレクサンダーテクニークはたぶん、現代の人工物の中で出来上がった本来的ではない体の使い方を、元々の使い方を個人個人が思い出すために学習法として大切だと思います。
個々のやり方を教える方法もありますが、自分で感じて分かるという方法として良いんだろうと思います。
そうすれば自分の在り方が変わり、やり方も自然に変わってくる可能性があります。

身体に戻る必要があると思います。
鍛える必要はないですけど、身体全体を動かしたり、身体のすみずみまで動く事を確認したりする必要があると思います。
そうしないと、どんどん身体は忘れられます。
自然の中で寝転ぶだけでも良いかもしれない。
凸凹道を柔らかい靴で歩くだけでも良いかもしれない。
自分自身が今どんな感じなのか、時間を作って感じるだけでも良いかもしれない。
こうやるのと、ああやるのとで何か違いがあるか、感じてみるだけでも良いかもしれません。

楽で便利で都合よく、あまり動かなくても生活出来ます。
でもそれは、持っている機能や能力を使っていないという事です。
持っている機能や能力を使わない事は、そのためにある骨や筋肉や腱や靭帯や、内臓の働きや免疫の働きなんかも、使わないという事になるんだろうと思います。

こうやって発信するだけでなく、来年は実際に体を動かす何かを始めないといけないかなと思っています。
ストレッチでも散歩でも、それを一緒にやれたらと思います。

 

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