背筋や尾てい骨という言葉は解剖学では使いません。
患者さんと話をしていて、「尾てい骨が痛いんです」とか「背筋が痛いんです。」と言われる事があります。
そうなんですね。
尾てい骨のどの辺りですか。
とか。
背中のどの辺りがどんな風に痛みますか。
などと聞きます。
ああ、尾てい骨のこの辺りです。
背筋のこの辺りです。
みたいな答えを聞き出します。
背筋や尾てい骨という言葉は、実は解剖学では使いません。
背筋と患者さんが言う時、僧帽筋や広背筋、脊柱起立筋(腸肋筋、最長筋、棘筋)などを指しています。
背筋という言葉は一般的な背中の筋肉の事で、解剖学では個々の筋肉に別々の名前がついています。
一括して背中の筋肉全部を指す言葉はありません。
同じように尾てい骨という言葉も解剖学では使いません。
一般的には仙骨の下につながる、尾骨の事を尾てい骨というようですが、たまに、坐骨のことを尾てい骨と呼んでいる人もいるようです。
整体師が背筋とか尾てい骨という言葉を使わないのは、そういう理由からです。
整体師がそういう言い方をする時は、患者さんに伝わりやすいだろうと思って使っていることはあります。
これとは少し違いますけど、解剖的な呼び方が普通とちょっと違う場合もあります。
頭蓋骨はズガイコツではなく、トウガイコツと呼びます。
肘関節はヒジカンセツではなく、チュウカンセツと呼びます。
膝関節はヒザカンセツではなく、シツカンセツです。
これも、ズガイコツとかヒジカンセツとかヒザカンセツと言う時は、患者さんに伝わりやすいだろうと思って使ってます。
チュウカンセツやシツカンセツだと、どこだか分からないですもんね。






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