血液は90%しか心臓に戻らない。 ~ 解剖学ページ更新 ~
正確に書くとこうなります。
心臓から出た血液で血液として戻って来るるのは90%です。
ではあとの10%はどこに行くのか?
そんなことありえない。
と思いますよね。
今、説明します。
※黒い円(中に十字)が心臓で、下が体を巡る体(大)循環と呼ばれている経路で、上が肺を通って酸素を取り込む肺(小)循環と呼ばれています。
心臓から出た血液は動脈を通って体の隅々にまで流れます。
血管はだんだん枝分かれし細くなって行き、毛細血管と呼ばれる細い血管になります。
毛細血管はまた少しずつ合枝されて行き、少しずつ太くなって静脈を通って心臓に戻ってきます。
体の隅々まで流れ毛細血管までたどり着いた血液は、毛細血管の壁を通り抜けて(濾過)周辺組織に染み出て行きます。
ここで運ばれてきた成分が使われると言うことですね。
染み出た液成分は、毛細血管の静脈側に吸収されます。
この時、染み出た成分のうち90%位しか戻りません。
(だから血液として戻ってくるのは90%)
ではあとの10%はどこに行くのか.
毛細リンパ管に吸収されて入っていきます。
毛細リンパ管も少しずつ集まって行き、最終的には鎖骨下静脈とつながります。
鎖骨下静脈のところでリンパ液は少しずつ静脈に戻っていくことになります。
心臓から出た血液は心臓の拍動だけでは4・50センチ位しか送り出せません。
頭の中とお腹の中くらいまでです。
血液はその後は動脈の蠕動運動(ぜんどううんどう)や重力で体の端まで運ばれます。
体の端まで行った血液は、静脈に乗って心臓に戻りますが、静脈は蠕動運動をしません。
替りに逆流しないように弁が付いています。
そして、静脈の容積は動脈の3倍でしかも収縮性が8倍もあるので、とても沢山の血液を貯めることが出来ます。
動脈から静脈への血液の流れは、細い川から広い池に流れ込んだ水のような感じです。
つまり静脈では血液は流れにくい。
しかも動脈で送られてきた血液の10%はリンパに行ってしまう。
その上、リンパは戻りだけで、心臓のような押し出す器官がないので、とても流れにくくなっています。
静脈での血液の流れは、静脈の周りの筋肉が収縮することで、静脈を圧迫し弁の作用によって心臓に向かって移動すること。
同様に静脈の周りの動脈が動くことで、静脈が圧迫され同じようなことが起こります。
リンパも同様。
周りの動きによって少しずつ動くと言われています。
心臓から遠くて大きな筋肉は、下肢の筋肉群です。
歩くことが血流改善に良いのは、そのためでもあります。
歩きましょう!
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