症状の原因を考える ~ 症例別の授業
腰が痛い患者さんが来たら腰を緩める。
肩が凝っている患者さんが来たら肩を揉む。
以前はこんな整体師やセラピストもいました。
たぶん15年か10年くらい前までは通用していたと思います。
でも今は違う。
腰や肩の痛みの原因を考えて、その原因に対してアプローチする。
てあて整体スクールの症例別の授業はそのための授業です。
肩と言えば何を指しているんでしょう。
名前(言葉)があると、そのものがあるように思います。
たしかに肩はあります。
では肩だけを取り出してみて欲しいと言われるとどうでしょう。
肩は胴体の側にあるんでしょうか、それとも腕にあるんでしょうか。
腕と胴体の間にあるんでしょうか。
だとすれば腕はどこまでで胴体はどこまでなんでしょうか。
腰にも膝にも同じようなことが言えます。
肩は腕と胴体の途中にあることは間違いない。
肩と呼ばれるあたりにあるものと言えば、筋肉なら僧帽筋という筋肉です。
骨だと鎖骨・肩甲骨・上腕骨。
上腕骨は名前からすれば腕の骨です。
でも上腕骨(肘と胴体の間にある骨)の胴体に近い側は、肩と呼ばれ肩に含まれることがある位置にあります。
難しいですね。
いや難しくありません。
肩という言葉がなかったら、肩と呼んでいるソコは何と何で出来ていて、どの辺りをソコと考えて肩と呼んでいるのか。
それを考えます。
肩と呼ばれる部分は、僧帽筋の上の部分であることがほとんどです。
では僧帽筋はどこからどこに繋がっているのか。
僧帽筋は背骨(頚椎・胸椎)から肩甲骨にほとんどがつながっています。
肩凝りの人の僧帽筋や肩甲骨の状態を見ると、肩甲骨が外前下に移動して、僧帽筋が伸ばされ固くなっていることがあります。
この場合なら、肩甲骨を外前下に引っ張っている筋肉群をどうするかがポイントです。
もう一つ。
肩甲骨が外前下に移動するような位置関係になる、背骨や頭や骨盤の状態もポイントです。
てあて整体スクールでは自分で考えて組立て、患者さんに説明の出来る方法を教えています。
それは自分で考えるためです。
想定外の患者さんが来ても自分で考えられる。
そういう整体師を育成したいと思っています。
たまに、何もしていないのに治してしまう先生がいます。
説明が出来ないのに治ってしまう。
それは素晴らしい能力だと思いますが、指導する技術としては使えないと思っています。
何もしないのに説明が出来ないのに治ってしまうということは、治らなくても変な状態になってしまっても説明が出来ない、自分で組み立てて考えることができない。
それは仕事にしてはいけないことだと思っています。
何かが起きた時に自分で対処出来る整体師になってもらいたいと思っています。
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