頭(頭蓋骨)や骨盤は歪むのか
頭や骨盤は不動関節と呼ばれますが、だとしたら全く動かないのかというと動きます。
動くと言っても、他の関節のように動きが目に見えるほどは動きません。
これらの関節は殆ど動かない関節で、仙腸関節(骨盤の仙骨と寛骨の関節)はプロメテウス解剖学アトラスによれば、「仙腸関節は真の関節であるが、その可動域は硬い関節包と強い靭帯によって著しく制限されている(半関節)、・・・」と書かれています。
ただ、全く動かないということはないということです。
では骨盤は歪むのか。
動かないことはないんだから動いて歪む、と言いたいところですが、それは殆どないと思います。
殆どありませんが、あることはある。
実際の患者さんを診ていると、殆どの方は歪んでいるのは仙腸関節などではなく、周りの筋肉のアンバランスによって歪んで見えるということです。
骨盤と肋骨の間には骨のない筋肉だけの場所があります。
手で触れても分かりますね。
その左右のどちらかの筋肉が短くなっていたら、片方の骨盤が頭の方に引きあがって見えます。
床に寝て触れて検査してもそう見えます。
骨盤が右が上に歪んだ感じに見えます。
でもこれ骨盤が歪んだのではなく、周りの筋肉のアンバランスが起きただけのことです。
似たようなことが、骨盤の前後の傾きにも起こることがあります。
そういう状態が多いように思います。
ただ、中には少し関節自体の位置関係が歪んでいる場合もあるように思います。
関節の位置関係というのは、骨の位置関係です。
骨盤で仙骨と寛骨の位置関係が歪めば、骨盤が歪んでいる状態になります。
ただこれもほんの少しです。
骨自体の歪みは微々たるものだろうと思います。
骨の微々たる歪みに加えて、周りの筋肉や筋膜の状態が変わってしまっていて、歪みを大きく見せていることが殆どだと思います。
マッスルエナジーテクニックなどの筋肉を使った調整法が効果を表すのは、そう言うことも原因の一つにあるだろうと思います。
頭蓋骨についてはどうか。
これも殆ど歪まないと思います。
ただ、殆ど歪まないというのは、歪むことも可能性としてあるという意味です。
頭蓋骨も頭の周りにある皮下組織や薄い筋肉などの問題が多くあるように思います。
世に言う小顔矯正や小顔調整は、皮下組織のむくみを取ることで、顎のラインが見えるようになったり、目が大きく見えたり頭が小さく見えたりすることで説明が付きます。
殆ど歪まないものの歪みを調整するのは、かなり微細な作業になります。
いや、作業自体は微細でなくても違いを感じる手は繊細にならざるを得ません。
触れられているだけのようなセラピーがあるのは、そう言う事も理由なのかもしれません。
骨盤や頭は殆ど歪まず、歪みとして見える時の殆どは周りの筋肉や筋膜や皮下組織の状態の見え方です。
でも歪まない訳ではない。
殆ど歪まないということは、歪む可能性があるということです。
その微細な歪みを感じることが整体師やセラピストの仕事です。
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