20年やって来て良かったなと思うこと
数年前に会社員時代の先輩と会う機会がありました。
彼は自分より数年先輩で既に会社を定年退職していました。
60代半ばでの退職で次の仕事につくこともなく、悠々自適の生活をしているようでした。
元気ですか?と聞くと、少しはにかんだように笑ったかと思うと、ううんと口籠ってしまいました。
荒木はさ、会社辞めて良かった?
えっと思いましたね。
そんなこと聞かれると思っていなかったので。
そちらはどうなんですか?と聞くと、やっぱり少しはにかんだように笑ってポツポツと話始めました。
最近はさ株を少しやっていて、昼間は時間があるとデイトレードって言うの、あれを少しやってんのよ。
でまあ月にお小遣い程度には利益出してんだけどね。
それがさ、何と言うかやってる感がないんだよね。
掴み所がないというか、やり甲斐みたいなもんが感じられない。
会社にいた時は大変だったけど、今はそれがない。
どうも、あんまりなぁ。
パッとしない。
だから荒木はどうなのさ。
良かった?
結構、若い時期に辞めたでしょ。
会社を辞めたのは40前で、開業は40を超えて厄が明けた年でした。
今は、どうなんですかね。
良かったかどうかは、一丁上がらないと分からないでしょ。
まだ途中ですから。
会社を辞めて独り立ちして、そろそろ20年になります。
良かったことは幾つもあります。
整体師なので目の前で人に喜ばれたり、あてにされたり、信頼というか頼りにされたりするのは、嬉しい事です。
自分で自分の時間を自由に出来るのも良かったなと思います。
働く場所を自分で決めて、遠く札幌や名古屋や大阪や兵庫などでセミナーやワークショップが出来る(出来た)のも良かったなと思います。
現代舞踊協会やチャコットさんなどダンス関係のスタジオや団体で、ダンサーや愛好者向けに講座をやったりして、ダンスの故障やダンサーのために仕事が出来るのも嬉しいことの一つです。
本を出したのもそうかな。
オリンピックに出られたのも、時間が自分のものだったからだと思います。
個人的なことですが、息子が成人して大学を卒業するまで面倒見られたのも良かった事の一つです。
一丁上がらないと分からない事ってのがあります。
あと20年くらい今のように自分だけで仕事をして生きていられたら、開業の時に考えていた事の一つが証明されることになります。
雇われの身じゃなくて、自分独りで生きていく事は出来るのか。
それが分かるのはまだ少し先です。
まああの自分独りでってのは、個人で仕事するって事で、自分一人の力でという意味ではないですよもちろん。
もう少し日々の良かったことでニヤニヤしながら、先のことを考えてやっていこうと思います。
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