Ballet Creation クレアシオン
知り合いが出ているというので【 Ballet Creation 】を観にメルパルクホールまで行きました。
日本バレエ協会主催の新進バレエ芸術家育成支援事業3、令和3年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業だそうです。
なんだかちょっと物々しい。
知り合いが出ている舞台を観に行った時に困ることがたまにあります。
幾つかの作品の中で、知り合いの作品が良かった時は問題ないんですが、そうでない場合、ブログに書くことを躊躇われたりします。
そういう点では今回は本当に助かります。
3作品あった中で一番好きな作品に出ていてくれました。
出品されていたのは松崎えりさん福田圭吾さん島地安武さんの3人で、出ていたのは島地作品でした。
個人的には島地作品がダントツでした。
多分、ダンサーそれぞれの出身(ダンスの系統)が少しずつ違っていて、それぞれの個性が立つような振付と構成。
衣装もそれに合わせてそれぞれの色が出るような、そして微妙にダンスの系統でも色分けが垣間見られるような印象の形と色と柄になっていました。
全員が靴下を履いているところで、同じステージに立っていることが約束されるような。
振付はそれぞれの体と持っているダンスを生かしながら、個性と全体を調和しそうな不調和が心地良いもの。
ソロとデュオと群舞がツブだって見えるのも面白かった。
そして、ギターの生演奏が圧巻。
現代音楽のギターの生演奏は本当に広く色々な情景を見せてくれました。
照明も最小限で舞台上に街頭のようなサスが三本だけ。
本当に面白く興味深く楽しく、ずっと観ていられるような作品でした。
出ていた知り合いは若いダンサーだったので、良い昨日に出会えたなと思いました。
松崎さんの作品は衣装の印象が強く残り、バレエ作品というよりコンテンポラリー作品寄りのものかと思いました。
安定した安心して観られる作品でしたが、後半になってピナの面影が頭をよぎりました。
バレエ作品は台詞のない演劇のような部分もありますが、衣装が具象的でなかったので、これは何の隠喩なのか?と考える部分があり、舞台を観ながら色々と考えさせられる部分のある時間でした。
舞台作品自体から考えるというより、台詞のない舞台表現で衣装やストーリー的なものはどんな風に考えておけば良いんだろうというようなことでした。
福田作品は映像とのコラボレーションが特色だったと思います。
紗幕に映し出された映像からダンサーが飛び出してくる演出で始まり、紗幕に映される星の映像がホリゾントまで抜けることで、紗幕とホリゾントとの間が宇宙空間のように見える演出は何かを期待させてくれるものでした。
ただ、その後の映像とダンスは、少し前のコンテンポラリーダンスでも観たことのあるような演出と感じてしまいました。
群舞が正統的な振付のように感じたからかもしれません。
ただ、見応えのある作品であったことは間違いありません。
メルパルクホールは随分前に一度、日本ジャズダンス協会の講演で知り合いの作品で出たことがあります。
暗転の中で荒木が「あ"あ”〜っ!!!!」と叫ぶところから始まる作品でした。
とても広い舞台で劇場です。
1500人くらい入るんじゃないか。
ジャズとバレエはここか、それと比べると現代舞踊協会はもう少し小さな劇場だったなと思います。
いや、良い悪いということではなく、やっぱり現代舞踊ももっと広い舞台で出来ればとちょっと思ったりしました。
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