決断の練習
てあて整体スクールでは触診の練習をよくします。
指針整体の授業の前には必ずやりますし、触診という授業もあります。
何故か。
何度か書きましたが、幾つかの目的があります。
一つは手を作ること。
もう一つは決断の練習をすること。
手を作るというのは、触診の技術を上げ精度を上げることです。
触診では色々なことがわかるので、分かることが増え、細かなことまで分かるようになることが目的です。
これは同時に体を作ることにもなる。
整体師としての体の使い方と、整体師としての体(筋力的な意味含め)です。
決断の練習というのはどういうことでしょう。
触診をしても最初は何も分かりません。
服の上から出で触れただけで、その下に骨があるかどうかさえ分からないのが普通です。
でも、あります。
確実にある。
服の下には皮膚があり、皮下組織があり、脂肪や筋肉があり骨があります。
必ずある。
それを感知してどんな状態か分かるようになる練習をします。
その中で一番大切なのが「決断する」ことです。
では決断するって何でしょう。
ここで決断するとは、「ここはこうなっている。」と決めることです。
骨があってどちらかに曲がっていると決めることです。
分かることではなく、決めることです。
???
分かるようになるんじゃないか?と思いますよね。
でも最初は分からないと感じます。
分かっていることなんですけど、分からない。
それを、「自分はこうなっていると感じた」と決めます。
決めることから全てが始まります。
だから間違っていても良い。
どんなに間違っていても良いです。
練習ですから。
どんどん間違えて良い。
そのうちに精度は上がります。
知らないうちに上がってくる。
それよりも、決めないと何も始まりません。
う〜ん分からないなぁ。
と判断してしまうと、その判断はいつまでも続きます。
保留の状態になる。
保留の状態は心が楽な状態です。
間違えるリスク、失敗のリスクががなくなりますから。
だからつい分からないと判断したくなる。
それを避けるためにも決断します。
ここはこうなっていると決めます。
決めることは全ての始まりにつながります。
整体師は決める仕事です。
就職したとしても、開業したとしても、やることは、患者さんと一対一で整体をすることです。
その時。
患者さんの体がどうなっているか。
その体をどんな風に調整するか。
調整はどの手技を使うのか。
手技の力加減はどうするのか。
などなど。
全て自分一人で決断して決めなければいけません。
開業する人なら、店の名前や営業時間や宣伝や料金など、全部自分で決めます。
そして全部自分に責任がかかってきます。
結局、決めることは自分が責任を持つことの練習にもつながります。
精度は繰り返しやれば上がります。
決断は、自分の手の下の状態を、言葉にしたり、認識したりするための、練習です。
だから触診の練習では、患者さんの体がどうなっているか、初日から全部決めてもらいます。
間違っていても本当に良いんです。
その場で触診が正確に出来たかどうかは、全然問題ではありません。
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