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一生懸命にターンアウト

読了までの目安時間:約 6分

バレエをやった事がない人には分かりずらいかもしれません。

ターンアウトの話です。

ターンアウトは股関節を外旋する事です。
バレエをやっている人が脚をそろえて立った時、踵の後ろがくっついて、爪先が真横を向いているのを見た事があると思います。
あれは股関節(脚の付け根の関節)が外回しになって(外旋して)いるから、膝やつま先が外を向いているという事なんです。
あれ(ターンアウト)はバレエの基本で、バレエをやっている間中、レッスン中も舞台で踊っている時も、やめるような指示がない限りずっとターンアウトし続けている”運動”です。

大人バレエな人の多くが悩んでいるのも、ターンアウトについてです。

先ず股関節が開かない。(外旋しずらい事を、開かないと言います。)
レッスンを始めたばかりは、普通にやると爪先が90度とか100度くらいしか横を向かない人が殆どです。
バレエスタジオでそうやって立っていると、自分だけターンアウト出来てないように感じる事があります。
周りはみんな180度とは言わないまでも、150度くらい開いて(外旋)いたりします。

どうして自分だけ。。。

と思うのも仕方ないかもしれません。
でもね、それちょっと違うんですよ。
普通は90度とか100度が正常です。
180度開くのは異常な状態です。
ではなぜバレエスタジオの周りの皆んなは、あんなに開いているんだろうと思うでしょ。
それは、開くようになった人が、残っている、からなんです。
そうでない場合もありますけど、バレエを始めてターンアウトが大切という事がわかって、練習していたら、たまたま股関節の可動域が広くて、もしくはかなり頑張ってストレッチをして、開くようになった人が残りやすいということです。
180度開脚が正常なんではなくて、異常な人が残っていると思った方が良いと思います。

普通の人が180度開脚したかったら、異常な状態になりたい訳なので、普通に練習したりストレッチしていてもなりません。
異常なくらいレッスンして、異常なくらいストレッチして、やっと開いてくると思っておいた方が良いと思います。

とは言え、ターンアウトしたいし、バレエもやりたいし。
ですよね。
そこで一生懸命にターンアウトしようとします。
一生懸命”力を込めて”ターンアウトしようとする。
そうすると、全然開かない。
みたいなことになります。

一生懸命とターンアウトが一緒になってしまっている人がいます。
一生懸命やらないとターンアウト出来ないと思っている人がいる。
でも別に一生懸命やらなくても、ターンアウトは出来ます。
そんなバカなと思われると思いますが、ちょっと聞いて下さい。

ターンアウトに必要な事。
一つは関節の可動域です。
もう一つはターンアウトする筋肉です。

可動域はストレッチをする事で広がります。
個人差はありますが、90度や100度で止まるということは殆どありません。
筋肉はターンアウトする筋肉だけを、出来るだけ使うという事が大切です。

ここに一生懸命の罠があります。

一生懸命にターンアウトしようとすると、ターンアウトする以外の筋肉も一緒に使ってしまいがちです。
そして、ターンアウトに使わない筋肉を使う事が、一生懸命を感じる要因になっている事があります。
ターンアウトに使わない筋肉、股関節周りの不要な筋肉まで使ってしまうと、ターンアウトは途中で止まります。
筋肉は縮む事で力を発揮するので、使わなくても良い筋肉を使うと、ターンアウトの動きを止める働きになってしまいます。
こういう人の体の使い方を誤解を恐れずに書くと、一生懸命にターンアウトすると、必ずターンアウト出来なくなってしまいます。
一生懸命を感じた時は、ターンアウトがしづらくなる筋肉を使っているからです。

困りましたね。

こういう場合の対処法は二つ考えられます。
一つは一生懸命にターンアウトしない事。
もう一つはただ、股関節を外旋させるだけをする事。
ナンダソレ。ですよね。
でもやってみて下さい。

股関節の可動域を広げるストレッチはとても大切なので、毎日、出来るだけやりましょう。
その上で、一生懸命じゃなくターンアウトする。
ただ股関節を外旋する。
ただアンデオールしていくだけ。
そんな方法もあります。

ターンアウトする以外の筋肉で、よく使われるのが、前腿の筋肉です。
どうしてだか前腿が使われます。
1番で立った時、お尻や腿の内側に力が入っているという感じ”だけ”で良いんです。
前腿やふくらはぎにはあまり力を入れなくても良いです。
いつもと違うので、これじゃターンアウト出来ないとと感じるかもしれません。
でも、いつもと同じだったらターンアウト出来ないんだから、いつもと違う感じを許してあげて下さい。

頑張って、一生懸命をやめてみましょう。


バレエ

芸術家のくすり箱

読了までの目安時間:約 3分

芸術家のくすり箱というNPO法人があります。

ダンサーをはじめとする芸術家のヘルスケアをサポートする活動をしていました。
20年近く前に存在を知り、NPOの設立総会に一般会員として唯一参加させて頂き、今日、実は最後の総会に参加させて頂きました。
当時はダンサーを診る治療師というのが圧倒的に少なく、東京で検索しても数軒しかないような状態でした。
治療し向けのセミナーも殆どないような状態で、ダンサーは故障をすると言葉(専門用語)の通じない整体師や医師に、イライラしながら説明をしたり、結果的に諦めてしまったりしていた状態でした。
今はかなり多くのダンサー向け整体院や治療院が出来ました。
舞踊団やスタジオでもアイシングの用意すら殆どなかった時代から、公演にトレーナーが帯同するような状況になり、隔世の感があります。

それもこれも芸術家のくすり箱さんの活動があってのことだと思っています。

最初の頃の活動は、ダンサーがヘルスケアに気を付けることから始まったと思います。
健康診断をやったりしていた記憶があります。
次第に治療師向けのセミナーを開催したり、、ダンサー向けのWSをやったり、活動は多岐に渡りました。
今回は一旦、活動を終えるとの事でしたが、役割の大きな部分は終えられたのかなと思っています。
荒木も最初は治療師向けのセミナーやダンサー向けのセミナーに会員として参加して勉強させて頂きました。
後半は芸術家向けのアレクサンダーテクニーク講座で教師として参加させて頂いたり、書籍の出版の時にも少しお手伝いさせて頂きました。

整体院の最終目的は、患者さんが来なくてよくする事です。
NPO法人の活動も、活動しなくて良くなる事だとおっしゃっていました。
ちょっと寂しいですが、次の時代に入って来たのかなと思います。
ありがとうございました。
おつかれさまでした。

大人のポアント(トウシューズ)

読了までの目安時間:約 4分

大人バレエ、大人リーナのポアント(トウシューズ)について。

バレエをしている大人の患者さんが多くいるので、ポアントについても話を聞きます。
15年くらい前と比べると、圧倒的に履く人が増えている印象です。
大人クラスが増えている事や、大人のバレエ人口が増えている事も影響していると思います。
全くバレエをした事がない人からすると、50代60代になってポアントを履くものなの?と疑問があるかもしれません。
逆に普通はポアントを履くものだと思っている人もいるのかもしれません。
ダンスの故障をたくさん見てきた整体師として、また40年ほどダンスを続けている60代のものとして、考えているところを書いておきます。

幾つになってもポアントシューズを履くのは良いと思います。
ただ、状況は知っておく必要があると思います。

ポアントはとても特殊な靴です。
ポアントは点だし、トウシューズのトウは爪先って意味ですね。
普段、普通は足裏全体を地面につけるような、少なくとも足指の付け根まではつけるような靴を履いて、日常生活をしています。
それが足の指先・つま先だけがつくような靴(ポアント=トウシューズ)を履いて立つ事になります。
正直言って変です。
そして特殊と言うよりは異常です。
そんなもの履かなくても生活出来ます。
だから普段は履かないようにしています。
でも履く。
その方が美しく見えるから。

履くにはやはり条件があると思います。
先ず筋力です。
爪先で立って、体をキープ出来る、脚を操作出来るだけの筋力です。
そして技術です。
爪先で立って、腕や脚を自由に動かす事の出来る技術です。
それがあるのが前提で条件だと思います。

でも、筋力も技術もないのに履いている人がいるように思います。
それはダメなのか?
難しいところです。
大人バレエや大人リーナの場合は、目的が何かと言うことがあると思います。
ポアントで立つ事が目的なら、それはそれで履いても良いのかもしれません。
ただし。

筋力がなければ、履けても立てない。
技術がなければ、履けても動けない。

と言うことになります。
そして無理をすると故障や怪我につながります。
そこを分かっておく必要があります。
自分には立てる筋力があるのか、ポアントで体を動かす技術があるのか。
ポアントを履いた時と、バレエシューズを履いた時の、筋力や技術は違っているようで、全く違っている訳ではありません。

ターンアウトをし。
脚の内側や後ろを使い。
ルルベは高く。
指先まで使って。

バーでやっている、一つ一つのパ(動き)がきちんと出来ているか。
その時その筋肉が使えているか。
というのがポイントになってくると思います。
その上で関節の可動域(一般に柔らかさと言われるもの)も必要です。
特に股関節の可動域がある程度以上ないと、ポアントでは立ちずらいことがあると思います。
なかなか大変だと思います。
でも、ポアント履きたいという気持ちがあるなら、頑張っても良いと思います。

ただし、自分の状態をよく知っておかないと、故障や怪我につながるので慎重にと思います。
それでももし故障したら、てあて整体院に来て下さい。
体のケアだけでなく、使い方も教えます。

ballerina2

小学生バレエ女子からの質問

読了までの目安時間:約 2分

夏休みですね。

小学生女子がやってきました。
お母さんと一緒です。
バレエをやっていて幾つか質問がありました。
ブログに書いても良いか聞かなかったので、質問の内容は書かない事にします。
3つありました。
3つのうち2つの質問の答えというか、原因はターンアウトでした。
もう一つもターンアウトが関係していましたが、直接的には別の筋肉の使い方の話でした。

小学校高学年にもなると、バレエを始めて7・8年経つという子達がいます。
けっこう長いです。
ちょうど、筋骨格の成長と神経の成長が合ってくる時期で、成長期に差し掛かります。
このあたりでバレエが変わると思います。
ポアント(トウシューズ)を履き始める時期でもあり、踊り自体が変わってくる時期でもあります。
早い子はバリエーションを踊ったいしますが、それはちょっとレアケースかもしれません。
基礎的な練習に踊りの要素が増えてくる感じです。

この時期に基礎がとても大切になります。
いやもちろん、その前から大切ですけど、この時期に基礎を再確認しておくと、次に繋がると思います。
特にポアントを履いてのレッスンが始まると、ターンアウトに脚を使うと言うのが本当に大切になってきます。
バーレッスンでプリエやタンデュやロンドゥジャンプなどをする時に、曖昧に体を使っていると、ポアントにきちんと立てなくなったりします。
フロアでの動きがバレエでなくなってきたりします。

基礎を大切にしましょう。
バーレッスンでやっている事で、フロアの動きの殆どは出来上がっています。
バーがきちんと出来ていなければ、フロアで直したり修正したりする事は出来ません。


アラセゴン

ニーイン・トーアウト

読了までの目安時間:約 3分

膝が内側に入って、爪先が外に向く。


ニーイントーアウト・プリエ

大人バレエなみなさんはご存知かと思います。
プリエする時にならないように気をつけるアレです。
気をつけているのに、知らず知らずのうちにそうなってしまう。
という人もいるかもしれません。
写真の向かって右側(左脚)がそうなっています。

これ。
ターンアウトがしずらいという事以外に何が問題なんでしょう。
そしてどうしてこうなってしまうんでしょう。
ある程度は生まれつきだから仕方がない、なんて思ってませんか?
知らないうちにそうなっているからって、生まれつきという事はありません。
殆どの場合はそうやって体を使っているのが原因です。

上の写真で言うと、右側の脚(左脚)の股関節が開いていない(外旋が狭い)ことが原因だったりします。
股関節の開き(外旋)よりも、爪先の開き(外旋)を大きく外にすると、膝が内側に爪先が外側になります。
左右の股関節の開き(外旋)が違うのに、爪先の開き(外旋)だけは合わせているとそうなります。

ここで。
股関節の開きが少ないと、前腿(大腿四頭筋)を使いやすくなります。
その事で股関節の外旋がよりしずらくなってしまいます。(ターンアウトしにくくなる)
先ずは爪先の開きよりも、爪先と膝の方向を合わせる事を先にして下さい。(そのことで爪先が開かなくても)
それとは別に、開きの悪い股関節のストレッチをします。
そして、ポジションに立つ時は、開きの悪い股関節の側の、お尻の筋肉や内転筋などを使ってターンアウトを頑張るようにします。


ニーイントーアウト

ニーイントーアウトの脚元だけを見るとこんな感じです。
向かって右側の脚(左脚)の土踏まずが落ちています。
クラスで「土踏まずを上げて!」と言われたりします。
ここで土踏まずの部分だけを引き上げようとするのは、あまり良くありません。
原因は股関節の開き(外旋)が少ない事ですから、股関節がターンアウト出来るように、股関節のストレッチをする事。
股関節のターンアウトを頑張る事。
足の注意としては、踵・母趾球・小趾球の三点に乗る。
土踏まずが落ちてなくなっている場合は、母趾球と踵に乗っていて、小趾球には殆ど体重を感じない事が多いです。
体はつながっています。
一部分だけをなんとかすると、別の場所に無理が来ます。
全体をつなげて感じ、使うようにして下さい。


てあて整体院
東京都練馬区東大泉 5-27-18-A
teate@nifty.com
https://lin.ee/H5NyjYT

プリエで前腿に力が入ってしまう

読了までの目安時間:約 2分

大人バレエな皆さん
こんにちは。
ダンスやバレエに強い整体師
てあて整体院・荒木です。

前腿に力が入ってモリッとしてしまう。
先生によく注意される。
でもなかなか直らないという人。
いますよね。
前腿に力を入れないようにしよう、と思ってもなかなか出来ません。
そういう習慣になっていたり、前腿に力を入れなければプリエ出来ない使い方になっていたりします。

どちらかと言うと爪先を踏んでプリエしてませんか?
プリエの始まりで膝が内側に入りませんか?
お尻の力が抜けがちではありませんか?
普段、歩いている時、足首が曲がったままではありませんか?
普段、立っている時、膝を後ろに押して伸ばしていませんか?

これらの事が前腿に力が入らないとプリエしずらい理由、というか使い方になっている事があります。
前腿に力を入れないようにしよう、ではなく、上に書いた事をやらないようにしてみて下さい。

爪先でなく足裏全体に乗る。
プリエの始まりで膝は爪先方向に出す。
お尻や脚の後ろに力を入れる。(無理に爪先だけ広げない)
歩く時は足首を曲げ伸ばしして、ふくらはぎを使うようにする。
立っている時は、膝はゆるんだくらいの感覚で立ってみる。(鏡で確認)

そうすると、前腿に力を入れなくてもプリエ出来る準備が出来ます。
試してみて下さい。
てあて整体院ではダンスやバレエの故障や相談にも乗っています。
整体ではなく個人セッションというコースもあります。(40分5000円、60分7000円)
連絡待ってます。


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大人バレエ

開脚180度 なのに体が硬い人

読了までの目安時間:約 2分

たまに、開脚180度は出来るけど体が硬いんです、という人がいらっしゃいます。
大人バレエな方で周りの人からは、何言ってんの柔らかいのに、と言われるそうです。

そりゃそうです。
スタジオでストレッチしていたら、開脚180度なんですから。
でも、実際に体が硬く、動きがぎこちなくなってしまうのはわかります。
そんなに多くはありませんが、こういう方はいらっしゃいます。

開脚180度は股関節周りと下肢がよくストレッチされているという事です。
ハムストリングスだったり内転筋だったり。
それでも体が硬いという人は、脊椎周り(背骨周り)が硬くなっている人が多い印象です。

背骨が全然動かない。
曲げられない。
反れない。
捻れない。

こうなるとダンスやバレエは少しぎこちなくなって来ますね。
どうするか。
動かす事なんです。
動かすって何を!?
背骨をです。

背骨は24個の骨でできています。
ということは前後合わせると25箇所で動きます。
実際はそこまで全部動きずらいですけど、でも動く可能性があるとイメージして、それを感じて動かす事です。
背骨全体を一緒に曲げるとか捻るとかではなく、一つ一つの骨を一つ一つずらしながら、動かします。
とても小さな動きです。
一つ一つの動きは小さくても、25箇所集まれがかなり大きな動きになります。
そこが動く、動ける、動いているという感覚を、自分で感じる事から始めます。
全部一緒にねじってるではなくて、一つ一つ別々にです。


背骨はこんなにたくさんの骨でできてます。
spine

背骨を一つ一つ動かす練習に、ローリングダウン、ローリングアップという動きがあります。



もう一つ。
四つ這いで背骨を一つ一つ動かす練習です。

「ダンス専科」への道 荒木靖博65歳 ③ 膝

読了までの目安時間:約 2分

4月6日に本番のある「ダンス専科」に出ます。
神楽坂セッションハウスです。

リハーサル的なスタジオレッスンが始まって1ヶ月くらいになりました。
今回はレッスン中に行っている動き(シークエンス)を踊るという作品です。
フロアでの動きが結構あるという話を以前にも書きました。

膝がね。

表題に年齢が書いてあります。
65歳です。
別に年齢は関係ありませんが、関節の変形などは加齢により増えてきます。
これはまあ自然の摂理ですから。
そういうものです。
荒木もいろいろなところが変形しています。
膝も、いや、膝ではなく右膝の半月板が薄くなっています。
レントゲンを撮ったら膝関節の裂隙が狭くなっているので、たぶんそうなんでしょう。

膝周りが変形していると、痛み出る事があります。
もう数年前からたまに痛みが出ます。
その度にストレッチをしたりしてやり過ごしています。
変形は治りませんが、ストレッチで位置関係は修正出来ます。
筋トレや体の使い方で、動きも修正できます。
位置と動きが修正できれば、痛みはある程度は消えます。
今はそんな状態です。

骨の変形があって痛みが出るのは普通のことです。
でも、普通だからと言って放ったらかしにはしません。
たまに、痛みがあるのは当然みたいな言い方をしますが、そんなことはないと思います。
痛みは状態を表している事が多いので、きちんとケアをして状態を良くしてあげる、元の状態に近づくようにしてあげる。
そうすれば、痛みの軽減もあるし、状態も悪化だけではないと思います。

腰にも変形があるんですよね。
実は首(頸椎)にも。

ダンスを上手く踊るために

読了までの目安時間:約 4分

年末だし、ちょっと大袈裟な事を考えてみたいと。

ダンスを上手く踊るためにやっている事、考えている事、気をつけている事。

普段、レッスンをしていく中で考えているのは、可動域と筋肉の柔軟性です。
年齢も年齢なので、そこが今は一番気になります。
60代です。
男性では珍しいかもしれない年齢です。
可動域と筋肉の柔軟性は確実に失われます。
どんどん減っていくという訳でもありません。
真面目に毎日やっていればそんな事はないんでしょうが、週に数回レッスンをしているくらいなので、60オーバーくらいからは減ってくなぁという実感があります。
いや、50代からだったかもしれません。

可動域は関節の可動域のことですが、問題は骨ではなく関節周りの筋肉や靭帯や筋膜などの組織です。
ぎゅうぎゅう引っ張ったってすぐに柔らかく可動域が広がる訳ではありません。
準備が必要ですね。
出来ればということですが、睡眠時間の確保、湯船に浸かる、アルコールを抜く、毎日少しずつは体を動かす。
などが準備です。
その上でストレッチをする前に、関節の周りの筋肉などを温めるウォームアップが必要です。
歩いたり、足上げしたり、少しずつ動かしながら緩めていきます。
そしてストレッチ。
これもすぐに伸びる訳ではないので、少しずつ伸ばしていきます。

これらのことは可動域だけの問題ではなく、筋肉の柔軟性にも関係しますね。
だから、結局準備が大切で急にやらないようにするってことでしょうか。

では、レッスン中や舞台本番・パフォーマンス時に考えている事は。

自分を分かって踊るって事でしょうか。
自分を分かるというのは、自分がどうなっているのか分かっているという事です。
踊っていて気持ち良くなってしまうのではなく、自分の体の中がどんな状態か分かっているという事です。
瞬間瞬間を全てコントロールしている訳ではありません。
ただ、どの瞬間も自分を忘れない。
自分の感覚がある。
どこが緊張していて、どこが脱力していて、どこが伸びていて。
伸び方や緊張の仕方はどんな感じなのか。
腕を前に伸ばしている時に、後ろの脚がどうなっているか、軸足のどこに乗っていて筋肉を使っているか。
そんなに細かく分かっているという事ではなく、それが見えているというような感じですかね。
なんとなく見えている。
見えていない部分が出来るだけ少ないように。
そこを大切にしています。

分かったような分からないような話でしょうか。
それとも分かるぅ!って話なんでしょうか。

出来てても出来てなくても、それが分かるって事は大切だと思います。
それがあれば自分としては上手くなる前提が出来たと思っています。
その上で上手くなるためには、上手いと自分が思っている人を良く見る事です。
そして自分の動きとの違い、形の違いを、自覚する事です。
そしてそれを近づけていく。
というか真似する。
その上で真似でない自分動きとして感じる。
みたいな事かなと思います。

フロアーワーク 〜 工藤聡さんのWSに参加して 〜

読了までの目安時間:約 3分

ダンスの練習の一環でフロアワークというのがあります。
床の上で動く練習です。
どんなダンスにもあると思いますが、コンテンポラリーダンスでは特に多いような気がします。
(クラシックバレエの基本の動きにはないのかもしれません。)

工藤聡さんというスウェーデンで活動しているダンサーのワークショップを受けてきました。

2時間ほとんどフロアワークをやっていた印象です。
もちろん30分くらいはストレッチ的な事をしましたが、それもフロアの動きに繋がるようなものになっていたと思います。
フロアワークは慣れていないと何だかさっぱり分からなくなる事があります。
床の上でゴロゴロするので、方向がわからなくなる。
たまに天地も分からなくなったりすることもあるかもしれません。
でも、工藤さんのワークショップはとても分かりやすい。
かなり噛み砕いてレッスンして頂きました。

2時間フロアで動き続けて終わると、とにかく体の奥底まで動かした感があります。
表面ではなく深層、骨の近くの小さな筋肉一つ一つまで動かされた感じです。
着替えて帰り道。

体が軽い。

関節がくるくる動いて、筋肉も柔らかく、体が軽く動くような感覚があります。
たぶん、夜になったら、もしくは明日の朝には重くなっていると思いますが、でも終わった直後は軽い。
普段は伸ばさないところまで伸び、動かさない筋肉まで動かしたからだと思います。

床に体を預けて動くと、普段はコントロールして伸ばしたり使ったりしている筋肉とは別の筋肉まで動きます。
立って動いている時には動かない筋肉だったりします。
普段、動かない筋肉や関節が動くと、可動域が広がります。
特定の方向への可動域というより、普段は動かしていないような角度や方向に動く感覚です。
だから軽くなる。
関節の動きに余裕が出来るんですね。
動ける範囲が増えれば、いつもの動きは簡単になる感じ。
そして筋肉も同じです。

これずっとやっていれば、筋肉も可動域もサビないんじゃないかと思いました。
どこまでかは分かりませんが、自分の可能性が広がる感じ。
正確に書くと、持っていた可能性がまた使えるようになった感じ。
得しますよね。

またフロアワーク多めのクラスに行こうかと思った今日でした。

工藤聡さん
企画してくれた柳下さん
ありがとうございました。
とても楽しい時間でした。
眠っていた可動域や筋肉が動きました。

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