平原慎太郎クラス ダンス専科トリプルビル公演を観た。
神楽坂セッションハウスで行われた、【平原慎太郎クラス ダンス専科トリプルビル公演】を観た。
3つのチームで5シーンを踊る作品になっていた。
一つは平原さん率いるOrganWorks(ゲスト作品)で、あとの二つがセッションハウスで行われているクラスの人たち。
木曜のクラスと昨年から始まった180Daysという二つのクラスの人たち。
木曜クラスはいつも出ているクラスなので、馴染みの顔もあり、自分がそこに居ない事に少し違和感を覚えるようだった。
全体を通して”美しい”作品だったと思う。
いつもの平原作品に自分が感じる”引っかかり”が少ない。
その分、流れるように見やすい作品になっていた。
流れるようにと言っても、目の前を通過していくのではなく、一つ一つにある色がクリアに見えるというような印象。
楽しんでいるだろうなと思わせられて、そこが観る時の楽さに繋がったのかもしれない。
OrganWorksの三人によるコンタクト(パートナリングと当パンにはある)の作品は、緊張感の中に息の抜ける笑える部分もあり、また高いスキルも観られる重曹的な作品だたっと思う。
タマラさん凄いよね。
発想が面白く、どこまで展開していくのかの期待感で、観続けられるものだったと思う。
そしてここで展開されたナニカが、作品全体に通底するものを見せてくれていて、バラバラになりそうな作品群を一つの世界に繋げているものだったような気がする。
まあね、三人とも素晴らしいダンサーでそれを見ているだけで楽しめました。
180Daysの作品は本当に個人的に好みというか好きな作品。
動きの質も動きの展開もテンポもリズムも、空間の使い方も流れも見え方見せ方も好きだった。
衣装も照明も舞台も。
舞台はいつもは客席がある側にあって、天井が低くなっていて、その低い天井で仕切られた横線というか、狭さの広がりが面白く見えた。
普段使っている鏡が収納されているところに、照明がチラチラ当たって反射しているところまで美しい。
昔、こんなテイストというか雰囲気のダンスを作りたくて、幾つか創ったけど、全くこうはならず、ああこういう表現があったのかと思ったり、やっぱり美しいと思ったり。
この作品のテンポやリズムや拍の取り方・作り方が、前後の作品たちにまで聞こえるような感じでした。
一つだけ引っかかりがあったのは、キュー(きっかけ)を出すような仕草というか目線や首の傾けがあり、それが意図的なのかそうでないのか、少し考えてしまいました。
ダンス専科作品はそれぞれの個性が見える作品になっていて、たぶん本人はそうでもないかもしれないが、そこがこの人の面白いところというのを引き出していた。
それぞれ少しずつ体が違うので、ユニゾンがユニゾンに見えないことまで、たぶん計算されているような気分になった。
随所に遊びもあり、楽しくみられた。
それにしても、個性が光る作品。
踊る側に立ってみると、これはかなり難しいのかなと思う部分もあった。
構成というか世界観を作りに行くのか、自分が出るだけで世界観に繋がるのかみたいな。
クリエイションどうやってんだろうと思ったりもした。
全員での最後のパートは、東京2020オリンピック閉会式のパリ側のパフォーマンスが頭にチラッと思い浮かびましたね。
ちょうどパリオリンピックが終わりパラリンピックが開催されているタイミングで、ひょっとして頭の片隅にあるのかなとちょっと思ったりしましたが、ま、それは下衆の勘繰りなんだろうと思います。
この最後も大好きで、こういう作りの表現として、まだこんなのがあったのかと思わせられました。
この上質の舞台作品をリアルで観る人が、現場では少なかったのだけが残念だったな。
良いものを見せてもらいました。
ありがとうございます。
来年は出るぞぉ!