アレクサンダーテクニークって何?
このところ昔の友人にアレクサンダーテクニークについて話をする事があります。
何度か話をしたり解説したりしていますが、とにかくよく分からないと言われます。
荒木の説明や解説が下手なせいで、アレクサンダーテクニークが上手く伝わらないんだと思います。
アレクサンダーはこうやってやるものだ、という話は一旦横において、どんなものなのかだけを解説してみたいと思います。
いろいろな角度から書けば、いつか読み返した時に、ああそういうことかと思ってもらえるかもしれない。
と期待しながら書いておきます。
アレクサンダーテクニークは自身の使い方の練習法です。
自身の使い方というのは、自分の体の使い方というだけでなく、自分の思考についての使い方でもあるということです。
どちらか一方ではなく心身のどちらも扱っています。
人が何かをやって上手くいかない時に、よくアレクサンダーテクニークの出番となります。
上手くいっている時は別に問題がないので、アレクサンダー・テクニークを使わなくても大丈夫ということです。
普段と同じようにやっていれば、上手くいっているということです。
つまり、上手くいかない時に、普段と違うやり方をしてみるということになります。
普段と同じだったら上手くいかない時に登場するので、普段とは違うやり方ということになります。
だから、上手く出来た時には、いつもと違う感じがあるかもしれません。
これ意外にポイントです。
では実際にはどんなことなのかちょっと書いてみます。
普段、何気なくやっている事は、生まれてから長く試行錯誤しながら出来上がって来たやり方です。
ある一つのプログラムと言っても良いと思います。
「立ち上がる」というプログラムがあったとします。
ひとそれぞれに違うプログラムです。
結果的に座った状態から、両足が伸びて足裏だけが床や地面についた状態になる事です。
このプログラムをNo.1と名前をつけます。
プログラムNo.1です。
プログラムNo.1にはさまざまな筋肉が関与します。
A/B/C/D/E/F/G
これだけの筋肉が関与しているとします。
お尻の上に体重が乗っている状態から、足が伸びて足裏に体重が乗る状態になるのに必要な最小限の筋肉です。
この7つの筋肉を使えば、過不足なく足ば伸びて足裏に体重が乗る状態になれます。
赤ん坊が初めて立ち上がった時、この筋肉(A/B/C/D/E/F/G)を使っていたとします。
ところが、成長するにつれ、社会的な要因なのか、性格なのか、家庭環境なのか、「A/B/C/D/E/F/G」の筋肉の他に「H/I」の筋肉を使うようになったとします。
プログラムNo.2です。
プログラムNo.1 = A/B/C/D/E/F/G
プログラムNo.2 = A/B/C/D/E/F/G + H/I
となります。
どちらも見た目には立ち上がっています。
本人は違いが分かりません。
自分としては普通にいつものようにやっていると、プログラムNo.2になります。
それをずっと続けていたとします。
問題がないうちは問題はありませんが、問題が出たとします。
肩が凝る、腰が痛む、などです。
その時、肩が凝ったり腰が痛む原因が、Hの筋肉だったとしたら。
Hをやめれば痛みはなくなります。
ところが、本人は立ち上がる時にプログラムNo.2しか出来なくなっています。
他の方法は立ち上がるという感覚にならない。
普通にすればプログラムNo.2にしかならない。
どうしましょう。
痛みを取るにはHをやめないと行けませんが、本人はHを使っている意識がないし、使っていないと思っています。
そこでアレクサンダーテクニークの登場となります。
自分を観察して、知らないうちにやっているHに気がつければ、それが始まる前、Hが出てくる前にHが出るのを諦めます。
その諦めた状態のままで、椅子の上にある体重を足の裏に移動させる事をやってみる事になる。
そんな事をやっているのがアレクサンダーテクニークなのかもしれないと思います。
分かりにくいですかね。
知らないうちにやっている事は、知らないうちにやっているので、分かりません。
気がついた時にはやっているし、気が付かないうちにやっている。
しかも、それが変だとは思わないし、それが普通だと思う。
他に方法はないように感じるし、他には出来ないとも感じてしまう。
そんな感じです。