患者さんの何を見ているか。
荒木が整体をしている時、患者さんの何を見ているのか。
ちょっと考えてみました。
動き、だろうと思います。
関節の動き
筋肉の動き
筋膜の動き
皮膚の動き
呼吸の動き
拍動の動き
難しく感じるかもしれませんが、ようするにその人の動きです。
意志を持ってする動作ではなく、自律神経系の働きでされている自律的な動きです。
寝ていてもしている、呼吸や拍動や、筋肉・筋膜・皮膚・皮下組織・関節などの状態というか動きです。
それが、どこかバランスが崩れていないか。
変な動きはないか。
いや、整体に来られる患者さんは、動きがどこか変なんです。
変というかバランスが崩れている。
ここは硬いけどそっちは柔らかいとか。
ここは動くのにこっちは動かないとか。
それが整うようにしていくのが整体だと思っています。
実際には筋肉を緩めたり、関節の動きを出したり、歪みやズレを調整したりしますけど。
結局やっているのは、身体の各部位がそれぞれに独立していて協調している時のバランスの崩れを整える。
先ずはそこからですね。
その上でパフォーマンスが上がるような状態に出来ればベストですけど。
そこまで行く人とそうでない人がいます。
毎月来てくれている人は、パフォーマンスを上げるような事を考えながらですが。
痛みで来院された方は、先ずは整えるところからです。
整体師の仕事ですね。
身体を診る。
荒木がスライムと呼んでいるストレッチがあります。
ストレッチと言っても一般的な引っ張るタイプのストレッチと違い、身体を動かすことで筋肉がストレッチされていくことを目的とした動きです。
筋肉の力をなるべく使わず、自重を使うようにして行います。
ポイントは力を抜いていること。
上の動きだとポイントは、腰を持ち上げたりお尻を動かしたりして、仰向けからうつ伏せに体をしようとしないことです。
腕(肩甲骨)に引っ張られて体幹が捻じれていく。
捻じれの結果、骨盤が引っ張られ、骨盤に繋がっている下肢も引っ張られます。
初めてやってみると、力を入れずにやることは絶対に不可能だと思えるかもしれません。
実際、荒木が初めてやった時には、腕だけが身体の前を反対側に伸びているだけで、肩が少し前に上がっておしまいでした。
胴体が腕について行くなんて、感覚的にありえませんでした。
それが、少しずつやっていると。
少しずつ肩が上がるようになり。
上がった肩の側の脇腹が捻じれるようになり。
背骨が少し捻じれるようになり。
骨盤が少し持ち上がるようになり。
骨盤がある位置を過ぎると、腕に繋がった胴体や腰や骨盤や脚がズルズルとうつ伏せになって行きました。
不思議。
いや、今日はそう言う話ではなかった。
患者さんが来ました。
胸郭の動きが少し悪い。
それも左右差がありました。
何というか肋骨が動かない感じです。
これだと呼吸が浅くなります。
そして、腰(腰椎)に若干の捻じれがあったので、骨盤が捻じれ、身体全体が捻じれていました。
身体が捻じれていることで、足裏の重心の位置が変わって、立っている感覚が微妙に変。
と仰っていました。
ダンサーさんだからですかね。
かなり微妙な違和感を仰っていました。
その解消をするのに、この動き(スライム)をやってもらったら、本当に微妙に左右差がありました。
本人も左右差は認識していましたが、実態とは逆の認識がありました。
左の動きが悪いと思っていたのが実は右だった、みたいなことです。
それでゆっくり動いてもらいながら、止まるというか動きに変化が起きる所をチェックして行きました。
すぐに出来るようになる訳ではありません。
自分で感覚出来ることならダンサーなので自分で調整出来ます。
感覚出来ないところの感覚がどんな感じなのかを確認しながら動いてみると、明日からの身体の緩め方の注意ポイントが出て来ました。
身体を診るのは難しい。
とも言えますが、日常的に注意しながら見ていると、実は誰でも分かるようになって来ます。
日常的に見るようにした方が良い、見る時はこういうところがポイント。
みたいな話が出来れば良いと思っています。