大人バレエな片脚軸の話
片脚軸で立ってパッセとかクぺにすると、重心は結構外に移動しますよね?
もっと真ん中って先生によく言われるんですけど、物理的に無理ですよね?
大人バレエな人や大人ダンスな人に聞かれます。
その場でやってもらうと、かなり外に重心が移動しています。
そこまで移動する必要はないし、移動しなくても片脚軸で立てます。
と言う話をするんですが、でもそれだと重心が取れなくて立てないじゃないですか、と言われたりします。
多分、体の中にイメージしている軸の位置が違うんだろうと思います。
殆どの人は軸を脚の外側(腸脛靭帯)あたりにイメージして、そこに乗り込んでいくように立っています。
どちらかと言うと小指側に重心を乗せ、大転子(お尻の横下の骨の出っ張り)あたりに力がかかるような立ち方です。
これだと外すぎます。
下のイラストで言うと、脚の骨(大腿骨)の外にある皮膚の線に体を押しるけるように立っている感じです。
イメージは脚の内側のラインです。
ターンアウトをしていると、大転子(お尻の横下の出っ張り)は横から後ろに回ります。
そうすると太ももの骨(大腿骨)はもっと中心に近くなります。
足裏と太ももの内側を通って、骨盤の片側を通り背骨に抜けていくラインをイメージして立つ。
そうすると、思っているよりも重心は外に移動しないで、片脚で立てることになります。
そのために、ターンアウトをしっかりすること、足裏から脚の内側を抜けて背骨の前側を通るラインを上下に引き合う事が大切です。
(引き上げにつながります。)
片脚で立つ時は、脚の外側のラインに乗ろうとするのではなく、脚の内側のラインに乗るような、内側のラインを頭まで繋げて伸ばすようなイメージだと立ちやすくなると思います。
ターンアウトについて
ターンアウトってどうすれば良いんですか?
質問をもらいました。
ちょっと練習してみましょうと、一つの動きをやってみてもらいました。
1.うつ伏せに寝ます。
2.右脚をパッセにします。(うつ伏せのまま)
3・パッセした右脚と骨盤の角度は変えずに、膝を床から持ち上げて骨盤を立てて来ます。
左腰の床に付いたところを支点にして、骨盤と右膝が一直線のまま90度立ち上がる感じです。
これを自分の受けているクラスの人にやってもらったら、その大人バレエなクラスでは全く出来なかったと言われました。
全く出来ないってことはないでしょう!?と聞くと、いいえ全く出来ませんでした、とのこと。
どうしてだろうと考えました。
そして実際にやってみてもらい、どう出来ないのかを聞きました。
パッセを横にしたままに出来ないんですよねぇ!
とのこと。
そりゃあ出来ません。
パッセは膝を横にする動きじゃありません。
えっじゃあどうするんですか?パッセって!?
パッセは膝をターンアウトしながら、踵を持ち上げてくる動きです。
えぇ、横にするのとターンアウトって違うんですか?
そりゃ全然違います。
やってみましょう。
と言うことで、床にうつ伏せになったところから、パッセにした脚をターンアウトしてもらいました。
そうしたら少し膝が床から持ち上がった。
後は骨盤を立ててくるるだけです。
えぇぇ~こんなことしてるんですか?
目をパチクリさせながらそんな風におっしゃっていました。
そう言うことなのかと思いましたね。
プリエは膝と爪先を同じ方向にするとか、一番に立ったら爪先を横に向けておくとか。
そんな風に習うことがあります。
そうすると、パッセは踵を持ち上げて膝が上がり、上がった膝を横にしておく形と考える人が多いようです。
それは違います。
パッセはターンアウトしながら踵を持ち上げてくる”運動”です。
膝を横に向けるのでも、そう言う形でもありません。
ターンアウトが続いているので結果的に膝は横に位置してしまいます。
ターンアウトは形ではなく動き・ムーブメントです。
そこでパッセからドゥバン(前)に脚を伸ばしてもらいました。
その時にターンアウトを感じてもらうために、踵を前から押さえてもらいました。
この指を踵で押すようにすると、臀部(お尻)や内転筋に力が入ります。
こんな風にして脚をいつもいつも回しているのがターンアウトです。
プリエもパッセも同じです。
形や位置ではなく動きだということを忘れないようにしたいものです。
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