難しい事より簡単なことを先に練習しましょう@大人バレエ
大人からバレエを始めるとやりたい事が盛りだくさんです。
ピルエットもジュテもシェネもアントゥルシャもパディシャも。
とにかく色々やりたい事ばかり。
出来ればバーなんてやらずにフロアから始めたなんて思う人もいるかもしれません。
でも、難しい事を先に練習してもなかなか上手くはなりません。
先ずは簡単な事、これは簡単だと思ってしまう事から始めましょう。
簡単な事、簡単だと思ってしまう事には、難しい事の要素が詰まっています。
簡単な事の積み重ねがあの美しいバレエの踊りに繋がっています。
例えばプリエ。
例えばタンデュ。
床にしゃがんで脚を前に出す。
ただこれだけです。
ただこれだけとしか思えないかもしれません。
でもこれが全ての始まりだったりします。
特にプリエはバレエの全ての始まり、だと大人からダンスやバレエを始めた荒木は思っています。
プリエをするにはターンアウトが前提です。
ターンアウトをしていないと、前腿の力の入りやすい脚の使い方になってしまいます。
前腿に力が入っていると、ターンアウトが出来ません。
これどっちが先ということはないんですね。
そしてターンアウトはある程度開いていたい。
90度しか開いていないターンアウトでは、やっぱり前腿に力が入りやすい。
出来れば135度以上位は開いていたい。
そうすればターンアウトをするための筋肉も使えるし、プリエもしやすくなります。
ターンアウトは動きです。
プリエをしている時はずっと、ターンアウトし続けています。
このことはバレエの体の使い方に共通しています。
バレエでは指示がない限り、脚はターンアウトの状態、ターンアウトし続けています。
タンデュもそう。
1番や5番から前脚を前にタンデュする時、ターンアウトが前提です。
ターンアウトに下肢を使っているから、タンデュの脚は前に出て行きます。
踵が先に動くなんて言われたりします。
腿の付け根から回すなんて言います。
最後に爪先が伸びるなんて言われます。
これ全てターンアウトしている脚を前に出すから、そうなる、ということです。
プリエが出来てタンデュが出来れば、グランジュテなどフロアでのジャンプに繋がります。
ジュテの直前の脚はプリエした状態です。
そして前に出す脚はタンデュと同じような動きをして出て行きます。
プリエやダンデュが出来ていない状態では、グランジュテは飛べません。
ジャンプをしたとしても、残念ながらグランジュテにはならない。
プリエやタンデュの体の使い方が出来ていないからです。
難しい動きは簡単(だと思ってしまう)動きの組み合わせです。
バーレッスンで行っている動きで、バレエの殆どの動きは説明できます。
つまりバレエの動きは、バーの動きの組み合わせです。
難しい事より簡単なことを先に練習しましょう。
それが上達の近道です。
プリエの感じ方
この記事を書くにあたってフリー素材を探してみました。
バレエに関する無料画像を探してみたんですが、プリエしているバレエダンサーの素材は殆どありませんでした。
3つのサイトで2000枚くらいみましたけど、子供が中途半端にプリエしている写真が一枚だけ。
例えば成人のダンサーがレッスンでプリエしている写真もありませんでした。
もっと探せばあるんだろうとは思います。
でもたぶん、プリエのイメージが多くの人にはないということなのかと思います。
だって目にしないんだから。
プリエの感じ方です。
昨日、書いた「ダンスの解剖学の使い方」に書いた、プリエを「体感する」ことについてです。
プリエ体感してますか?
???って人もいるかもしれません。
レッスンの最初に行うプリエ。
ターンアウトは出来ているだろうか。
引き上げは出来ているだろうか。
膝は外に向いているだろうか。
腰は落ちていないだろうか。
そんなことが頭を駆け巡っていると思います。
プリエを体感することは少ないかもしれません。
プリエをしている時にどこに力が入っているのか。
プリエはどこが動いているのか。
そんなことを感じてもらいたいと思います。
プリエをする時に一番動くのは、股関節と膝関節と足関節です。
その場所を確認してみましょう。
股関節は太ももの付け根(鼠径部=ソケイブ)の真ん中あたりにあります。
股関節は骨盤側の臼蓋(きゅうがい)と太ももの骨の一番上で出来た関節です。
お椀のようになった臼蓋に、外から内に向かって太ももの骨の頭がはまりこんでいます。
太ももの骨の頭は臼蓋の中で、クルクル回るように動きます。
膝の関節は膝のお皿の下あたりにあります。
足首の関節は踝(くるぶし)の中にあります。
足首が曲がるのは、踵でも甲の上でもなく、踝の間です。
脚が股関節からターンアウトすると、前に曲がる向きにあった膝は、横に曲がる向きになります。
膝を横に向けなくても、股関節をターンアウトしていれば、膝は勝手に横に出ていきます。
プリエをしながら、動いている股関節・膝関節・足関節(足首)を体感して下さい。
その上でターンアウトが出来ていれば、お尻やハムストリングス(もも裏)に力が入っているのが分かります。
前ももにも少しは力が入りますが、前ももの力だけを感じていると、ちょっと違います。
それと足裏の感覚も。
足裏は足裏全体で踏みます。
指の付け根側だけでなく、踵にも体重が乗るのを体感出来ると思います。
体の使い方に注意をするあまり、自分の体がどうなっているか感じられないのでは、自分の体をコントロール出来ません。
プリエを体感してみて下さい。
体感できていないところは、注意が届かない場所です。
ターンアウトについて
ターンアウトってどうすれば良いんですか?
と質問をもらいました。
ちょっと練習してみましょうと、一つの動きをやってみてもらいました。
1.うつ伏せに寝ます。
2.右脚をパッセにします。(うつ伏せのまま)
3・パッセした膝を天井の方に持ち上げながら骨盤を立ててきます。
4.3でパッセした右脚と骨盤の角度は変えずに、膝を持ち上げ骨盤を立てて来ます。
左腰の床に付いたところを支点にして、骨盤と右膝が一直線のまま90度立ち上がる感じです。
これをやってもらったら、大人バレエなクラスでは全く出来なかったと言われました。
全く出来ないってことはないでしょう!?と聞くと、いいえ全く出来ませんでした、とのこと。
どうしてだろうと考えました。
そして実際にやってみてもらい、どう出来ないのかを聞きました。
パッセを横にしたままに出来ないんですよねぇ!
とのこと。
そりゃあ出来ません。
パッセは膝を横にする動きじゃありません。
えっじゃあどうするんですか?パッセって!?
パッセは踵を持ち上げて、膝をターンアウトする動きです。
えぇ、横にするのとターンアウトって違うんですか?
そりゃ全然違います。
やってみましょう。
と言うことで、床にうつ伏せになったところから、パッセにした脚をターンアウトしてもらいました。
そうしたら少し膝が床から持ち上がった。
後は骨盤を立ててくるるだけです。
えぇぇ~こんなことてるんですか?
目をパチクリさせながらそんな風におっしゃっていました。
そう言うことなのかと思いましたね。
プリエは膝と爪先を同じ方向にするとか、一番に立ったら爪先を横に向けておくとか。
そんな風に習うことがあります。
そうすると、パッセは踵を持ち上げて膝が上がり、上がった膝を横にしておく形と考える人が多いようです。
それは違います。
パッセはターンアウトしながら踵を持ち上げてくる運動です。
膝を横に向けるのでも、そう言う形でもありません。
ターンアウトが続いているので結果的に膝は横に位置してしまいます。
ターンアウトは形ではなく動き・ムーブメントです。
そこでパッセからドゥバン(前)に脚を伸ばしてもらいました。
その時にターンアウトを感じてもらうために、踵を前から押さえてもらいました。
この指を踵で押すようにすると、臀部(お尻)や内転筋に力が入ります。
こんな風にして脚をいつもいつも回しているのがターンアウトです。
プリエもパッセも同じです。
形や位置ではなく動きだということを忘れないようにしたいものです。
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今すぐ出来るバレエのコツと身体の使い方 >>>35歳からのバレエ入門 >>>
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