体の使い方を教える時の一つの考え方 【目的は何か】
何かをするのに、どんなに一生懸命やっても上手くいかない事があります。
言われた通り、正確に一生懸命に努力しているのに、上手くいかない。
そんな時にどうするのか。
あなたがやりたい事は、目的は、何なのか。
達成したい目的は、何かをする事なのか、それとも一生懸命に努力する事なのか。
そこはどうなんでしょう。
と、患者さんや生徒さんに話をする事があります。
一生懸命に何かをするのは良い事だと思います。
ただ、「一生懸命する」の中に、「息を止める」だったり「首肩に力を入れる」だったりが含まれていると、上手く行かない事があります。
もちろん、息を止めたり首肩に力を入れる事が目的ではありません。
そうしようとしてやっている訳ではない、と言う事はわかっています。
でも、息を止めたり、首肩に力を入れないと、一生懸命やっている感じがしないって事はありませんか?
正確にするんだけど、繰り返しやるんだけど、誤差がないようにするんだけど、言われた通りにやるんだけど。
同時に息を止め首肩に力を入れて、一点集中(と感じるように)でやってませんか、と言う事です。
あきらめないと行けないかもしれません。
息を止めたり、首肩に力を入れる事を諦める。
息を止めず。
首肩の力を抜いて。
一生懸命やる。
これ意外に難しいんです。
一つには息を止めず首肩に力を入れないと、一生懸命やっているように感じない。
一生懸命は取り組む姿勢です。
別に首肩に力を入れる事ではありません。
なのに、気持ちとは裏腹に、息を止めないと一生懸命感が出ない。
試してみて下さい。
息をゆっくり深くしながら。
首肩の力を抜いて
リラックスして
一生懸命に取り組んでやってみる。
これも一つの方法です。
頑張ってる時にやってる事
肩こりや首こりや頭痛、腰痛や体が疲れるなどの人。
頑張っていろいろやってませんか。
頑張ってやるのは良い事だと思いますが、頑張るのと肩や首を固めるのが一緒になっているかもしれません。
自分が何か頑張って一生懸命やる時に、体が何をしているかちょっとチェックしてみて下さい。
・息を止めて
・肩首に力を入れて
・肩を持ち上げて
・一点だけを見つめて
・自分の体を忘れて
こんな風にやってませんか。
頑張るのとこれらの体の使い方がリンクしてしまっていると、「頑張る・一生懸命=体を固める」になってしまいます。
頑張るのや一生懸命と、体を固めるのを別々にしてみましょう。
頑張ったり一生懸命やるのは、上手くやりたい結果を得たいというのが目的です。
上手くやったり結果が出るためには、体を固めるのはだいたいはダメです。
自分に余裕を持ってやってみましょう。
一生懸命にやるのは一生懸命でなくても良いと言う話
一生懸命きちんとやる、と言うのは、息を止めて一点を見つめてやる、のとは違う。
でも、ついつい息を止めて一点を見つめて、なんなら肩に力を入れて猛烈にやってしまったりするので、気をつけよう。
という話を授業でしてます。
一生懸命にやるのは、一生懸命でなくても良いという話です。
???かもしれません。
何かを達成したいと思った時、一生懸命にやろうとします。
その時、何をもって一生懸命と感じるのか。
息を止めたり、肩に力を入れたり、一点だけを見つめたり、目標に向かって真っ直ぐ一直線に向かうイメージのことをすると、一生懸命と感じることがあります。
でも一生懸命やるというのは、息を止めたり、肩に力を入れたり、一点だけを見つめたり、目標に向かって真っ直ぐ一直線に向かう事とは、別のことです。
何かが達成される事が目的であって、息を止めることや肩に力を入れることが、イコール何かを達成させることにつながる訳ではありません。
でも人はついついそんな風にやってしまいます。
目的ではなく方法や手段が目的になってしまったりする。
息を止めたり肩に力を入れると、一生懸命やっているように感じてしまう。
それだと逆に効率の悪くなる事もあります。
一生懸命にやるのは、(何かを達成するためなので)一生懸命(と感じる息を止める事だったり肩に力を入れるような事)でなくても良い。
という話です。
一生懸命、真剣に脱力
一生懸命何かをするとき。
真剣に何かに取り組むとき。
つい力が入ってしまいます。
息を止めて肩が上がって力が抜けない。
そう言う状態で物事に打ち込む。
一生懸命ってそんな感じがあります。
でも、何かを上手くやろうとしたら、脱力して肩の力を抜く方が良いことがあります。
リラックスして無駄な力を入れずに出来ればうまくいくことがあります。
一生懸命に何かに取り組む事と、力を入れる入っている息を止める息が止まっている状態がセットになってしまうのは良くあることです。
でもそれだと上手く行かないこともあります。
そんな時。
力を入れないでやってみる。
息を止めないでやってみる。
と言うのがなかなか出来ません。
一生懸命にやらない、と言うのだともっと出来ません。
試しに出来なくても良いから、力を抜いてやってみると出来たりします。
でも結果は、出来ているのに、出来た気がしない。
と言うことになったりします。
難しいですね。
一生懸命、真剣に、脱力してみる。
逆転の発想。
脱力を一生懸命にやってみる。
脱力を真剣にやってみる。
一生懸命やってる気がしないかも知れません。
真剣にやってる気がしないかも知れません。
でも目的は脱力だから、脱力出来ていれば成功。
試してみる価値はあるかも知れません。
https://suzuri.jp/ArakiYasuhiro
一生懸命レッスンしているのに上手くならない時どうするか。 【大人バレエ】
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一生懸命やって上手くいかない時は、一生懸命にはやらないという方法がある。
夢中になると上手くいかない場合は、夢中にならないという方法がある。
我を忘れて上手くいかない時は、我を忘れず自覚あるままやるという方法がある。
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先日、ツィッター(https://twitter.com/teateseitai)にこんなことを書きました。
大人バレエにも通じることがあるので少し書きます。
一生懸命やっているのにどうしても上手くいかないことがあります。
どうやって工夫しても上手くいかない。
例えば大人からバレエを始めた人ならこうです。
軸が取れない。
引き上げが出来ない。
ターンアウトが上手く出来ない。
肩が上がる。
肘が下がる。
脚・膝が伸びない。
何度やってもどう工夫しても出来ません、って時どうしますか?
そういう時は一生懸命にはやらないという方法があります。
ドユコト?
と思いますよね。
一生懸命やらないと上手くいかないでしょ!
テキトーにやって上手くいくほどバレエは生半可じゃない!
そう思います。
確かにそんな感じがします。
でも違います。
例えば、あなたが一生懸命と感じる何かは何でしょう。
息を止める。
全身のどこかに力を入れる。
一点に集中して他のものを見ない。
みたいな。
こんなことが、あなたが一生懸命と感じる時に、必ず含まれているとしたら。
こんな風になっていない時には、一生懸命と感じられないとしたら。
一生懸命と感じた時には必ず。
息が止まっている。
どこかに力が入っている。
全体を見られていない。
ということになります。
これらのことが上手くいかない原因だとしたら。
上達しない原因だとしたら。
一生懸命出来たと思った瞬間には、必ず出来ていないことになります。
息を止めず。
無駄な力を全部抜いて。
全体を感じながら。
動けた時には、一生懸命やったと感じない訳ですから。
一生懸命やった時に、必ず上手くいかないのだとしたら。
一生懸命ずっと練習しているのに、全然上手くならないのだとしたら。
一生懸命と感じる何かが上手くいかないことの原因かもしれません。
だとしたら、一生懸命やっているうちは、必ず上手くならないし上達しません。
そんな時は、一生懸命にはやらない、という方法があります。
一生懸命やらなければ、上手くいかい原因をやらないことになるからです。
一生懸命は気持ちが良いものです。
なんとなく安心します。
でもそれは上手くいくとか上達とは別の喜びです。
一生懸命がダメな訳ではありません。
でも、一生懸命やって上手くいかないのなら、一生懸命やるという喜びを捨ててみる方法もあるということです。
先生に言われたことを、そのままやってみるとか。
やりたいことを、気持ちや感情抜きで、物理的な動きや使い方だけ再現してみる。
みたいな考え方でやってみる。
ひょっとしたらそれで上手くいくこともあるかもしれません。
夢中とか我を忘れても、同じことが言えると思います。