海や山や川に行くと何となく調子が良くなるのはどうしてなのか。
海や山や川など、自然と呼ばれるようなところに行くと、何となく調子が良くなります。
海岸を歩いたり、山をハイキングしたり、川のそばを散歩するだけでもです。
良くなるまで行かなくても、何となくイイ感じを受けたりします。
どうしてなんでしょう。
普段の生活は、家で寝起きをして、外だったり家だったりで仕事をして、休みの日には買い物に行ったり映画を見たりスポーツをしたり。
もうちょっと具体的に書くと、洋服を着て靴下を履き、平らな床の家の中で、空調が聞いた環境で、蛍光灯やLEDの照明がついて。
外に出れば靴を履いて、平らにならされた道路や階段などを歩き、乗れば動く電車や車に乗って移動し、椅子に座ってパソコンに向かって、手でさまざま入力したりしています。
食事は調理された(細かく刻んで熱を加え調味料がかかった)ものを食べます。
普通です。
でも本当にこれ、普通でしょうか。
以前にも書きましたが、今の人間は狩猟採集に適したように進化して来ています。
昼間に長くあるけるように、肌には毛が少なく、代わりに汗腺があって汗を書く事で血液の温度が上がラナイようになっています。
股関節の靭帯や腸腰筋は、脚を後ろに残しさえすれば、脚自体が前に戻るような構造になっていて、長く沢山あるいてもエネルギーをさほど使いません。
人は平らな道を歩くようには進化していません。
平らな道は歩きやすいですけど、凸凹で岩や石や草や木の根っこがある場所でも歩けるように進化しています。
平らな道では、床や地面の形状の変化が少なく、同じ筋肉や同じ関節ばかりを動かす事になります。
凸凹なら使っていたであろう、関節や筋肉で使われないものが沢山出てくる。はずです。
例えば人の骨は200個くらいあると言われます。
それを20個くらいで生活していれば、後の180個は動きづらくなります。
動かさなければ、血流が悪く、固定されるように使っていれば硬くなります。
それが、自然と呼ばれるような海や山や川に行くと、使うようになるんじゃないか。
と思っています。
凸凹で岩や石や砂利や草の上を歩く事で、普段は固めて動かなくしている関節や筋肉を使うんじゃないかと思います。
同じような事が脚や足だけでなく、上半身にも腕にも頭にもあるのかなと思います。
自然の中、海や山や川では気温は一定ではありません。
空気もつねに流れて風が吹いていたり止まっていたりします。
そのことで、皮膚にある感覚器が刺激されるのかもしれません。
逆のこともあるかもしれない。
生まれながらに使ってこなかったタイプの人には、海や山や川は元から使わない関節や筋肉を使う大変な場所ということになるのかもしれません。
自分はどっちなのか。
ゆっくり感じてみると良いと思います。
海や山や川だけでなく、近くの公園の土や芝生の上を歩いてみるだけでも、違いは感じられると思います。
そして、幾つになっても手遅れにはなりません。
人の体にある200の骨と600の筋肉は、使わなくても減りません。
元々使っていなくても、少しずつ使っていけば、動くようになるし働くようになります。
普段から体の調子が悪いとか、体が上手く動かない人は、少しずつ動かすと良いと思います。
超簡単なのは歩くこと、もっと簡単なのは床の上でゴロゴロする事。
えっ!?そんなので、と思うかもしれませんが、床の上でゴロゴロはけっこう効きます。
どうして肩が凝るのか。
人の体は何に対応するように進化して来たのか。
1万5千年くらい前、まだ農耕が始まっていない時代。
人は狩猟採集をして食べ物になるような物を得ていました。
一日に10キロから15キロも歩いたと言われるように、日中は果物や魚介や動物を獲るために日がな歩き回っていました。
当時、身につけていたのは今のような衣服ではなく、食べていたのも今のような調理や料理されたものではなかった。
寝る場所も今のようにマンションや一軒家ではなく、雨風がかろうじて凌げるくらいの、木や土で出来た掘立て小屋や洞穴だったと思います。
凸凹の土や砂や草や岩や苔の地面の上を、裸足に近い足で歩き。
長い時間かけて得た食べられるものを、長い時間咀嚼して(料理されていないから)栄養にしていた。
狩猟採集の道具も生活の道具も必要最小限以下のもので、あるものであり合わせていたと思います。
当然、道具のないものは手指や体を使って、その機能をおぎなっていたと思います。
肩こりや腰痛にはさまざまな原因がありますが、椅子に長時間腰掛けている事は原因の一つと言えます。
長い時間、同じ姿勢をとることは、同じ筋肉を長時間収縮させている事です。
また、パソコンに限らず、机の上でする作業や仕事は、同じ動作を繰り返しする作業でもあります。
道具が、体の使い方を型にはめています。
椅子に座る時は椅子に座る筋肉しか使いません。
パソコンを使う時はキーボードを打つ同じ指しか使っていません。
家に住むという事は、家という環境でしか使わない筋肉しか使わないという事です。
舗装された道を歩くという事は、平な地面を歩く時に使う筋肉や関節しか使わないという事です。
肩こりという言葉は夏目漱石が発明したと言われる事があります。
いやいや樋口一葉が使い始めたという人もいます。
いずれにしても、漱石や一葉よりも前には、肩こりという言葉は一般的ではなかったようです。
肩が張るとは言ったようですが、凝るとは言わなかったらしい。
江戸時代には肩こりはなかったということでしょう。
現代的な生活が普及するにつれて、肩は凝り始めた。
肩こりや腰痛などの症状が出たら、今の生活からちょっと離れてみると良いかもしれません。
平らな地面ではない場所を、平らで硬い靴底ではない履き物で歩いたり。
カチッとしたジャケットやパンツではなく、ルーズなジャージやTシャツで生活してみるだとか、たまには着物を着てみるだとか。
普段、一日中、机に座って作業をしている人は、一日歩いて見るとか。
体を動かして見るとか。
そう言えば昔に比べて40肩で困る人が減っているように思います。
たぶん、昔に比べて腕を上げる事が少なくなったからだと思います。
電車の吊り革も低くなりましたし、はたきをかける事もなくなりました。
(”はたき”はもう死語かもしれませんね。調べてみて下さい。笑)
肩が凝ったら腕を上に上げたり回したりするのも良いと思います。
現代の生活習慣は現代の人の体の仕組みには合っている訳ではないと思っています。
そこは忘れないようにしたいと思います。
人体600万年史
以前にも紹介したかもしれませんが、お勧め本の紹介です。
人体600万年史
現代人の体は何に向かって、何に対応適応するように進化して来たのか。
そしてそれは現代の生活や社会に合っているのか。
筋骨格系の話だけでなく、内臓などの話についても書かれています。
結論を言えば、人の体は狩猟採集するように出来ています。
日常の生活も食事なども。
でも、現代は狩猟採集の生活ではありません。
そこに齟齬が生まれる。
それが多くの病気や症状の原因になっている。
そんな話が書かれています。
とにかく面白い。
整体師でなくてもぜひ一読をお勧めします。
整体師は腰痛や肩こりの原因を考える時、意外にこんな事からもヒントを得ています。
人の体は分かっているようで、分かっていないことも多い。
それをどう捉えるか。
どう捉えておくか。
も必要なことです。
紹介動画を作ったので、コチラも良かったらご覧下さい。