” processing and tuning “
" processing and tuning "を観てきた。
ダンサー 仁田晶凱(にたあきよし)さん
ジャグラー 目黒陽介さん
小説家・デザイナー 山本浩貴さん
三人による公演でした。
素敵な作品でした。
仁田さんのダンスは以前”シシオドシ組曲”を観たが、その時の印象とは違い新鮮で不思議で安心で納得の時間空間でした。
シシオドシの時の仁田さんは洗練された体が作り出す美しく儚く力強い動きを全面的にコントロールしながら、現代音楽の生演奏で動いていました。
今回はダンス作品というジャンルからはみ出て、試みの世界観を見せてくれました。
仁田さんには演出意図があり、それが具体化されたんだろうと思う。
リハーサルは打ち合わせの時間が多く取られ、話し合いの中で少しずつピースが出来てきたような事をおっしゃっていました。
だから、三人三様の仕方で、それぞれの共通する今回の世界観や雰囲気や意図や方向に向かっていたように思います。
それとは別に私が感じたのは、今回の公演は、今の時代・現代を表象しているように感じました。
創ろうとして出来たのではないと思いますが、今までのダンスや劇やジャグリングや芝居や公演や作品を、意図的に分解し解体して、再構築していっているような印象を受けました。
それが端的に現れている部分もあり、また全体がそうなっているような気がしました。
似たようなアプローチの作品の”部分”は観た事がありましたが、全体を眺めてそれが思われる作品に出会ったのは始めてでした。
このスタイルとかこの演出とかこの構造と言えませんが、そういうアプローチが今の時代を見ているようでもありました。
完成されていると思われていたものが、実はそうでなくても成立する可能性がある。
今までとは違う組み合わせや取り合わせもあるみたいな事で、新しい業態や方法や制度が試行錯誤されている。
processing and tuning という題名がそれを表しているんだろうかと、終わってからグーグル翻訳で意味を知って思いました。
なんちゃって。
帰り道にいろいろ考えました。
考えながらニヤニヤ出来るのは、好きな作品で良い作品だなと思います。
仁田さんのダンスはやっぱり洗練されていてクリアで雑味がない。
格好良いなぁと思います。
目黒さんは声が素敵でした。
ジャグリングが本業との事でしたが、声の仕事もやってるのかと。
山本さんの紡ぎ出す言葉は、言葉の持っている意味だけでない世界を見せてくれました。
テキストが生身の人間と対峙していました。
4月14日までやっているそうです。
三鷹の駅から3分のSCOOLという場所です。
時間がある人は観ると良いですよ。
・processing and tuning >>> https://scool.jp/event/20240409/