ぎっくり腰で俯せになれない患者さん
先日、ぎっくり腰から1週間で、俯せになれない患者さんが来ました。
どうします?
床にもベッドにも俯せ(下向き)になれない。
仰向けにはなれて、膝を曲げていると楽という患者さんです。
とりあえず仰向けになってもらいました。
仰向けになって膝を曲げると楽という事は、腸腰筋の硬さや短縮が考えられます。
腸腰筋は腰椎の前側から大腿骨の小転子につながっています。
これが硬くなっていたり短くなっていると、骨盤の動きや腰の動きが制限されます。
膝を曲げるということは、股関節を屈曲させる(曲げる)事で、腸腰筋が緩みます。
腸腰筋が緩んで楽ということは、この筋肉が何らか問題を起こしている。
ということで、腸腰筋を緩めるとなるんですが、最初に手をつけたのは梨状筋でした。
梨状筋は仙骨から大転子につながる筋肉です。
腸腰筋とだいたい対をなす、反対側の筋肉になります。
腸腰筋が短縮していたり硬くなっていたりすると、対をなす反対側の筋肉の梨状筋も硬くなったり短縮している事があります。
仰向けで梨状筋を緩めるには、患者さんの自重を使うと簡単に緩みますので、少しずつ緩めました。
と言っても指を梨状筋に当てていただけですけど。
梨状筋が少し緩んだので、次に腸腰筋を緩めました。
虚血性圧迫という方法で、てあて整体スクールで教えている中で、3つだけある痛みを伴う可能性のある手技です。
腸腰筋に手指を当てていきます。
しばらくすると緩みを感じました。
そうなると、膝を伸ばす事が出来ます。
ここまで来れば一安心。
筋膜の繋がりを末端から診ていき、出来るところを緩めました。
終わると、俯せになれるということになったので、俯せになってもらい、歪み調整の出来る部分だけをやりました。
テーピンングをして座り方・立ち方など姿勢を見て、この日は終わりました。
次回の予約を取って終了。
特定の姿勢しかとれない患者さんはたまにいます。
俯せだけ、仰向けだけ、一度は座るだけしか出来ない患者さんもいました。
自分のやっている手技は、何をしているのか。
どの筋肉を緩めているのか、どの関節を動かしているのか。
それを知っていれば、アレンジして同じ効果を生む手技を考えられます。
ただ、手技の手順や接点・角度・強さだけを知っていても、臨床では使えない事が、たまにあります。
てあて整体スクールでは手技の理由を必ず説明しています。
目的は何なのか。
面倒でも話すようにしています。
スクール生募集しています。
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