体の事を考える。
毎日のように体の事を考えます。
患者さんの状態を考えるのはもちろんですが、自分の体の事も考えるし、最近の世の中の人の体の事も考えます。
今の人類の体が何に対応するように出来上がったのか。
最近はその事と今の人たちの体の状態の事を考えることが増えました。
凸凹の地面の上。
草や石ころや砂や土。
湿っていたり乾いていたり。
日陰だったり日向だったり。
傾斜があったり川が流れていたり。
そう言う環境に対応するように出来ている(であろう)人の体が。
真っ平な道路や広場や家の中で。
硬い真っ直ぐなフローリングや絨毯の上で。
靴下や靴やスリッパを履いて歩く。
いつも同じ形状の椅子に座り。机に向かう。
腕の動きや脚の動きを制限している(かもしれない)服を着て。
細かく刻まれ熱が入った調理をされた食べ物を。
1日に数回定期的に食べて。
外気と関係なく管理された家に住んでいる。
こう言う環境で生きていると、どんな変化があるのか。
やっぱりちょっと変になっても、おかしくはないよね。
今が普通じゃないんだから。
とは言え、今が普通じゃないとは、普通の人は到底思えない。
靴下や靴を履いて服を着て出歩くのが、デフォルトで普通と思ってしまう。
体は外気や気候や季節に影響されるはずなのに、されないように仕向けられて、そう感じてしまう。
この感じをどうやって伝えていくかを考えますね。
ま、その前に自分の体や周りの人の体がどんな感じで、それはどうしてそうなったのかを考えたりします。
毎日、体のことを考えてしまいます。
自分の体の事を知らない人が増えている。
自分のことは自分が一番良く知っている。
と思いますよね。
でも、自分の事だけでなく人のことも含めて、体のことを知らない、あまり感じたことのない人が増えています。
当然です。
そうなるように社会を発展させて来たんですから。
外に出る時は(多くの人は家の中でも)服を着て、靴下を履いて靴を履いて出かけます。
普通のことですが、このことで外気の温度や風の強さや湿度を感じにくくしています。
服を着ていることで、外気が直接肌に当たる部分はすごく少なくなっている。
地面のこともわかりません。
靴下と靴の下にあるんですから、おおよその凸凹くらいしか分からないようになっています。
家の中はエアコンである程度は同じ温度に保たれています。
除湿機や加湿器があれば湿度もある程度は一定です。
家の中にいると、温度や湿度の環境があまり変わりません。
外にいる時と比べると、ずいぶん一定の気温湿度の状態です。
車や電車みたいな交通機関を使います。
すると歩かなくなる。
狩猟採集の時代は一日10キロから15キロも歩いていたと言われます。
エレベーターやエスカレーターなどを使えば尚更です。
スマホやパソコンを使うことも、体を使わないことに寄与しています。
人との連絡は直接ではなく手元で済むようになりました。
調べ物も手元で済みます。
観劇や映画鑑賞も手元で済みます。
食事をオーダーするのも手元。
仕事に行かなくても、手元で出来るようにもなりました。
殆ど動かなくても大丈夫なようになりました。
そうやって物理的に体を動かさなく使わなくなりました。
当然のことですけど、体のことをあまり感じない。
感じなくても大丈夫だからです。
悪いことって訳ではありません。
人は楽に生活できるように便利になるように頑張って来たんですから。
発明をし技術開発をして来ました。
そして今になった。
体をあんまり使っていない。
体のことを感じにくくなっている。
ということは知っておく方が良いと思います。
たまに時間を取って感じてあげる。
たまに時間を取って使ってあげる。
それが体のためであり自分のためにもなります。