体は固まる事も止まる事も出来ません。
長時間、椅子に座っていると、いろいろなところが凝ってくる。
同じ姿勢で立っていると、どこかが硬くなったり痛くなったりする。
良くある事です。
体を同じ姿勢や形のままにしておくと、当然固まります。
と思ってるでしょ。
でも、体は固まる事も止まる事も出来ません。
生きている間は体は動き続けています。
いやいや、止まってるって言ってるじゃないですか。
確かに外見上は止まっているように、見えます。
でも止まっていません。
心臓はずっと動き続けています。
呼吸も止まる事はありますが、何分も止まっている訳ではありません。
血液だけじゃなく体液も流れています。
何か食べたら消化吸収が行われ、胃腸など消化管は動いています。
腎臓では常に血液が濾過されて原尿というものが作られます。
筋肉は柔らかい組織です。
硬くなる事はありますが、コンクリートみたいな硬さではありません。
止まれないんです。
固まれないんです。
だったら、動いている事を前提に体を使ってみると良いかもしれません。
椅子に座っている時も、背骨や股関節や肩周りの関節に動きがある事を知っておく。
心臓や肺が常に動いているので、その周りの肋骨やお腹を固めないようにする。
ゆらゆらゆれている揺らぎが、外見上は見えないくらいに小さくなっていれば、いつも同じ姿勢でいるように見える訳です。
体は固まる事も止まる事も出来ません。
常に動きがあってゆらゆらしている風に使ってみてはどうでしょう。
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患者さんの何を見ているか。
荒木が整体をしている時、患者さんの何を見ているのか。
ちょっと考えてみました。
動き、だろうと思います。
関節の動き
筋肉の動き
筋膜の動き
皮膚の動き
呼吸の動き
拍動の動き
難しく感じるかもしれませんが、ようするにその人の動きです。
意志を持ってする動作ではなく、自律神経系の働きでされている自律的な動きです。
寝ていてもしている、呼吸や拍動や、筋肉・筋膜・皮膚・皮下組織・関節などの状態というか動きです。
それが、どこかバランスが崩れていないか。
変な動きはないか。
いや、整体に来られる患者さんは、動きがどこか変なんです。
変というかバランスが崩れている。
ここは硬いけどそっちは柔らかいとか。
ここは動くのにこっちは動かないとか。
それが整うようにしていくのが整体だと思っています。
実際には筋肉を緩めたり、関節の動きを出したり、歪みやズレを調整したりしますけど。
結局やっているのは、身体の各部位がそれぞれに独立していて協調している時のバランスの崩れを整える。
先ずはそこからですね。
その上でパフォーマンスが上がるような状態に出来ればベストですけど。
そこまで行く人とそうでない人がいます。
毎月来てくれている人は、パフォーマンスを上げるような事を考えながらですが。
痛みで来院された方は、先ずは整えるところからです。
整体師の仕事ですね。
骨盤は歪むのか
今日、解剖学の授業で聞かれました。
骨盤はどうして歪むんですか?
骨盤の歪みの直接的な原因は何かという質問でした。
答えは外的な衝撃によって歪む可能性がある。
尻餅ついたり転んだり、自転車で軽くぶつかったりみたいな外的な衝撃です。
でもちょっと気になることがあるので逆に質問をしました。
骨盤は歪むと思っていますか?
根本の話です。
歪むと思っていない人が原因を聞いても納得いかないかもしれません。
ひょっとして歪まないとおもってるんじゃないか?
そう思って聞きました。
ま、整体の勉強をするまでは、普通、歪まないものだと思っていました。
やっぱり。
多くの人がそう思っているかもしれません。
骨盤は歪まない。
確かに骨盤は歪みにくい。
体の土台が簡単に歪んだら体験なことになる。
自分の骨盤の事を考えても、そんなに歪んでいるようには思えない。
わざわざ歪んだと言って、調整することで安心させているんじゃないか。
でも、歪む事もあると、荒木は思っています。
でもこれは荒木の考え方。
人にはそれぞれ考え方があるので、骨盤は歪まないという考えを否定するつもりはありません。
でも、私の場合は歪む事もあると考えていて、それを前提に整体を指導しているし整体をやっています。
なのでその話をしました。
関節は動くように出来ているので、関節があるということは動きがあると考えています。
骨盤にある仙腸関節は動きずらい関節です。
でも関節があるという事は、動いてしまう可能性があると考えます。
もちろん殆ど動きません。
でも、殆ど動かないという事は、動く事もあると言うことだと思っています。
動く事もごくたまにあるけど、そんなには動かない、とも思っています。
一般的に歪みがあると言う場合は、周りの筋肉や人体の状態にアンバランスがあり、硬さや伸びの左右差や前後差があることで、歪んでいるように見えたりすることが多いと思います。
でも全てじゃない。
ごくたまに歪んでしまったままになっている事があると考えています。
だから調整は歪みを整えるよりも、動きを出す事を重要視しています。
歪みが戻るような方向に調整しますけど、動きが出れば歪みが残っても問題ない。
逆に歪みがなくても動きがない場合は動かすように調整したりします。
人の考えは様々です。
骨盤が動かないと思っている人は、周りの筋肉や筋膜や靭帯の硬さや動きを調整すると考えても良いかもしれません。
でも、荒木は歪む事もあるので、歪みを調整するように動きを出す事を考えて調整しています。
問題は自分の芯となる考えがあるかというところだと思います。
身体を診る。
荒木がスライムと呼んでいるストレッチがあります。
ストレッチと言っても一般的な引っ張るタイプのストレッチと違い、身体を動かすことで筋肉がストレッチされていくことを目的とした動きです。
筋肉の力をなるべく使わず、自重を使うようにして行います。
ポイントは力を抜いていること。
上の動きだとポイントは、腰を持ち上げたりお尻を動かしたりして、仰向けからうつ伏せに体をしようとしないことです。
腕(肩甲骨)に引っ張られて体幹が捻じれていく。
捻じれの結果、骨盤が引っ張られ、骨盤に繋がっている下肢も引っ張られます。
初めてやってみると、力を入れずにやることは絶対に不可能だと思えるかもしれません。
実際、荒木が初めてやった時には、腕だけが身体の前を反対側に伸びているだけで、肩が少し前に上がっておしまいでした。
胴体が腕について行くなんて、感覚的にありえませんでした。
それが、少しずつやっていると。
少しずつ肩が上がるようになり。
上がった肩の側の脇腹が捻じれるようになり。
背骨が少し捻じれるようになり。
骨盤が少し持ち上がるようになり。
骨盤がある位置を過ぎると、腕に繋がった胴体や腰や骨盤や脚がズルズルとうつ伏せになって行きました。
不思議。
いや、今日はそう言う話ではなかった。
患者さんが来ました。
胸郭の動きが少し悪い。
それも左右差がありました。
何というか肋骨が動かない感じです。
これだと呼吸が浅くなります。
そして、腰(腰椎)に若干の捻じれがあったので、骨盤が捻じれ、身体全体が捻じれていました。
身体が捻じれていることで、足裏の重心の位置が変わって、立っている感覚が微妙に変。
と仰っていました。
ダンサーさんだからですかね。
かなり微妙な違和感を仰っていました。
その解消をするのに、この動き(スライム)をやってもらったら、本当に微妙に左右差がありました。
本人も左右差は認識していましたが、実態とは逆の認識がありました。
左の動きが悪いと思っていたのが実は右だった、みたいなことです。
それでゆっくり動いてもらいながら、止まるというか動きに変化が起きる所をチェックして行きました。
すぐに出来るようになる訳ではありません。
自分で感覚出来ることならダンサーなので自分で調整出来ます。
感覚出来ないところの感覚がどんな感じなのかを確認しながら動いてみると、明日からの身体の緩め方の注意ポイントが出て来ました。
身体を診るのは難しい。
とも言えますが、日常的に注意しながら見ていると、実は誰でも分かるようになって来ます。
日常的に見るようにした方が良い、見る時はこういうところがポイント。
みたいな話が出来れば良いと思っています。