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身体を固めることは出来ません。

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起立!礼!

自分が学生の頃は、学校の授業が始まる前に、椅子から立ち”良い姿勢”をとってお辞儀をする、という儀式がありました。
今はあるのかないのか知りません。
我々世代は良い姿勢というと、膝を伸ばし胸を張り、腕を脇にピチッとつけて顎を引く、上下にまっすぐなったような姿勢をイメージします。
最近はどうなのか、これも知りません。

一日、仕事で座っていると、体勢を変えないため身体を固めてしまうとおっしゃる患者さんがいます。
同じ姿勢でいると身体が固まるという人もいます。
確かに全く同じ姿勢で、動かないように、筋肉を固めてしまうことはあります。
でも、

身体を固めることは出来ません。

何度か書いているように、身体は固まりません。
生きている限りずっと、心臓は動いているし呼吸をしています。
心臓が動いているということは、血液が流れているということです。
大動脈という心臓から血液が流れ出ていく血管は、2・3センチの直径があります。
2・3センチですよ。
ホースと同じかそれよりも太いくらいかもしれません。
そこを1分間に約5リットル(3から8リットル)もの血液が流れています。
血管は柔らかい組織で、血液が流れれば当然ですけど動きます。
それが全身を駆け巡っている。

呼吸も生まれてから死ぬまでずっとしています。
1分間に12から20回くらい呼吸していて、6から8リットルもの空気が出入りしています。
1回の呼吸で500ミリリットルの空気が出入りしていることになります。
呼吸は肋骨で作られた胸郭のスペースが大きくなって行われます。
傘を広げるように肋骨が広がり、横隔膜が下がって、空気が流れ込みます。

心臓も呼吸もずっと止まらず、動き続けているのに、身体を蝋人形のように完全に固めることは出来ません。

逆に動かし続ける方が安定すると考えています。
全身には200位の骨があり600位の筋肉があります。
それを全部少しだけ緩めておく。
必要最小限の張力を持たせておく。
それだけで姿勢は保てます。

風のない波のない日に池に浮かんだボートは、遠くから見ると止まっていますが、ボート自身は揺れています。

内側が常に動いている身体を、外から固めようと筋肉を使うと、筋肉は硬くなるし、疲労も溜まります。
元々動いているものだとイメージして、ゆらゆらしながら姿勢を作ってみるという方法もあります。
わざわざ揺れるというより、揺れているのを許してあげる感じです。
固まらないんだから固めない。
揺れていてもOK。

武術の先生や茶道の先生の姿勢は、固めて作っているのではありません。
揺れる身体をゆるしながら、自分の在り方を整えているんだろうと思います。


姿勢

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