大人のポアント(トウシューズ)
大人バレエ、大人リーナのポアント(トウシューズ)について。
バレエをしている大人の患者さんが多くいるので、ポアントについても話を聞きます。
15年くらい前と比べると、圧倒的に履く人が増えている印象です。
大人クラスが増えている事や、大人のバレエ人口が増えている事も影響していると思います。
全くバレエをした事がない人からすると、50代60代になってポアントを履くものなの?と疑問があるかもしれません。
逆に普通はポアントを履くものだと思っている人もいるのかもしれません。
ダンスの故障をたくさん見てきた整体師として、また40年ほどダンスを続けている60代のものとして、考えているところを書いておきます。
幾つになってもポアントシューズを履くのは良いと思います。
ただ、状況は知っておく必要があると思います。
ポアントはとても特殊な靴です。
ポアントは点だし、トウシューズのトウは爪先って意味ですね。
普段、普通は足裏全体を地面につけるような、少なくとも足指の付け根まではつけるような靴を履いて、日常生活をしています。
それが足の指先・つま先だけがつくような靴(ポアント=トウシューズ)を履いて立つ事になります。
正直言って変です。
そして特殊と言うよりは異常です。
そんなもの履かなくても生活出来ます。
だから普段は履かないようにしています。
でも履く。
その方が美しく見えるから。
履くにはやはり条件があると思います。
先ず筋力です。
爪先で立って、体をキープ出来る、脚を操作出来るだけの筋力です。
そして技術です。
爪先で立って、腕や脚を自由に動かす事の出来る技術です。
それがあるのが前提で条件だと思います。
でも、筋力も技術もないのに履いている人がいるように思います。
それはダメなのか?
難しいところです。
大人バレエや大人リーナの場合は、目的が何かと言うことがあると思います。
ポアントで立つ事が目的なら、それはそれで履いても良いのかもしれません。
ただし。
筋力がなければ、履けても立てない。
技術がなければ、履けても動けない。
と言うことになります。
そして無理をすると故障や怪我につながります。
そこを分かっておく必要があります。
自分には立てる筋力があるのか、ポアントで体を動かす技術があるのか。
ポアントを履いた時と、バレエシューズを履いた時の、筋力や技術は違っているようで、全く違っている訳ではありません。
ターンアウトをし。
脚の内側や後ろを使い。
ルルベは高く。
指先まで使って。
バーでやっている、一つ一つのパ(動き)がきちんと出来ているか。
その時その筋肉が使えているか。
というのがポイントになってくると思います。
その上で関節の可動域(一般に柔らかさと言われるもの)も必要です。
特に股関節の可動域がある程度以上ないと、ポアントでは立ちずらいことがあると思います。
なかなか大変だと思います。
でも、ポアント履きたいという気持ちがあるなら、頑張っても良いと思います。
ただし、自分の状態をよく知っておかないと、故障や怪我につながるので慎重にと思います。
それでももし故障したら、てあて整体院に来て下さい。
体のケアだけでなく、使い方も教えます。
フロアーワーク 〜 工藤聡さんのWSに参加して 〜
ダンスの練習の一環でフロアワークというのがあります。
床の上で動く練習です。
どんなダンスにもあると思いますが、コンテンポラリーダンスでは特に多いような気がします。
(クラシックバレエの基本の動きにはないのかもしれません。)
工藤聡さんというスウェーデンで活動しているダンサーのワークショップを受けてきました。
2時間ほとんどフロアワークをやっていた印象です。
もちろん30分くらいはストレッチ的な事をしましたが、それもフロアの動きに繋がるようなものになっていたと思います。
フロアワークは慣れていないと何だかさっぱり分からなくなる事があります。
床の上でゴロゴロするので、方向がわからなくなる。
たまに天地も分からなくなったりすることもあるかもしれません。
でも、工藤さんのワークショップはとても分かりやすい。
かなり噛み砕いてレッスンして頂きました。
2時間フロアで動き続けて終わると、とにかく体の奥底まで動かした感があります。
表面ではなく深層、骨の近くの小さな筋肉一つ一つまで動かされた感じです。
着替えて帰り道。
体が軽い。
関節がくるくる動いて、筋肉も柔らかく、体が軽く動くような感覚があります。
たぶん、夜になったら、もしくは明日の朝には重くなっていると思いますが、でも終わった直後は軽い。
普段は伸ばさないところまで伸び、動かさない筋肉まで動かしたからだと思います。
床に体を預けて動くと、普段はコントロールして伸ばしたり使ったりしている筋肉とは別の筋肉まで動きます。
立って動いている時には動かない筋肉だったりします。
普段、動かない筋肉や関節が動くと、可動域が広がります。
特定の方向への可動域というより、普段は動かしていないような角度や方向に動く感覚です。
だから軽くなる。
関節の動きに余裕が出来るんですね。
動ける範囲が増えれば、いつもの動きは簡単になる感じ。
そして筋肉も同じです。
これずっとやっていれば、筋肉も可動域もサビないんじゃないかと思いました。
どこまでかは分かりませんが、自分の可能性が広がる感じ。
正確に書くと、持っていた可能性がまた使えるようになった感じ。
得しますよね。
またフロアワーク多めのクラスに行こうかと思った今日でした。
工藤聡さん
企画してくれた柳下さん
ありがとうございました。
とても楽しい時間でした。
眠っていた可動域や筋肉が動きました。
大人バレエなレッスンでの注意の仕方
ばれえレッスンに出るといろいろと注意されます。
同時に自分でもいろいろと注意をします。
軸を感じて。
ターンアウト。
膝を伸ばす。
つま先を伸ばす。
肘が下がらないように。
肋骨の下を締めて。
もう、ありとあらゆる事に注意している事があります。
で、バーやセンターで動きの説明があって、その動きを始めると。
今度はその動いている部分に注意が集中してしまう事ありませんか。
例えばタンデュだったら、つま先と膝。
つま先を伸ばす事と、膝を伸ばす事だけで頭がいっぱいになった します。
そうなると、全然ターンアウトが出来なくて、膝が伸びているのに前を向いていたりします。
セカンドにした肘が落ちていたりします。
デコルテが上を向いて、肋骨の下が開いたりしています。
それじゃ元も子もないですね。
ではどうすれば良いか。
いつも注意している所は無視して、別の所の注意をしてやってみる。
タンデュなのに、腕の事だけ考えてみるとか。
バットマンなのに、ターンアウトだけ考えてみるとか。
ずっととは言いません。
たまに、別のところに注意してやってみると、感じ方が変わるきっかけになるかもしれません。
ダンスの故障の原因は疲れとテクニック
ダンスやバレエには故障はつきものです。
つきものだと言って仕方がないという訳ではありません。
故障の原因は疲労とテクニックの問題があると考えています。
テクニックの問題はプロには少ないですが、振り付けの問題としてあるかもしれません。
アマチュアの人はテクニックを誤解していたり、理解しているのに筋力や関節可動域が足りなくて問題になることがあります。
疲労はどちらにも問題です。
仕方がないと考えているようでは故障は防げません。
ダンスの故障について動画にしました。
ご覧下さい。
体が緩むストレッチ教室 11月3日(文化の日)
体が緩むストレッチ教室を開催します。
いつもは平日夜に行っていましたが、11月はちょうど文化の日の午前に部屋が取れたので、休日に行います。
床の上でゴロゴロしながら全身の筋肉と骨を緩めます。
とくに背骨。
脊柱を一つ一つ動かすことで、深層筋を緩めます。
畳の上で寝て動くので、転ぶ心配もありません。
初めての方でも全く大丈夫です。
参加・問合お待ちしています。
体が緩むストレッチ@大泉学園
日時 : 11月3日(金祝)11:00~12:00場所 : 練馬区立 勤労福祉会館 2階和室大 (大泉学園駅3分)
東京都練馬区東大泉5-40-36
(https://www.nerima-kinrou.com)
料金 : 1,000円(当日精算)
備考 : フォルムという名前で部屋の予約はされています。
問合 : mail teate@nifty.com
LINE https://lin.ee/H5NyjYT
Tel 03-3922-7230

プリエと前もも
大人バレエ、大人リーナのみなさん
プリエをする時に膝上の前ももに力が入る人は、つま先側に体重が乗っていませんか。
つま先側に体重が乗って、踵をあまり踏んでいないと、前ももに力が入って膝上を使ってしまいます。
踵も踏むようにして下さい。
踵を踏む感覚を確認するために、踵だけ踏んで、つま先を持ち上げてプリエしてみるのも良いかもしれません。
いつも使っていない筋肉(お尻の筋肉とか)を使うので、ちょっと変な感じがしたり疲れたりするかもしれません。
でも、それが本当です。
前ももに力が入り過ぎていると、ターンアウトがしずらくなります。
ターンアウトは太ももの内側と後ろ側、それにお尻の筋肉を使っています。
前ももを使うと、それらの筋肉が使えなくなってしまいます。
前ももを使わないで!と言うのは、そう言う意味もあります。
気を付けてみましょう。
ストレッチの準備運動 【動画あり】
ストレッチをする時、準備運動してますか?
ドユコト?思う人も多いと思います。
だってストレッチは準備運動でしょ。
そうです、ストレッチは準備運動の一つです。
でも、いきなりストレッチをやって故障をする人がいます。
ここ10年くらい増えているような状態です。
どうしてなのか。
ストレッチが出来る状態にないからです。
体が硬い。
血流が悪くて筋肉が冷えている。
普段、体を動かしていないので、筋肉が硬く伸び縮み出来る状態にない。
そんな感じです。
なので、日中はずっと椅子に座っている人や、動きのない人。
睡眠時間が少なくて筋肉の疲労をとっていない人。
などは気をつけましょう。
週一や週二でダンスやバレエをしている人。
週末だけ運動をしている人。
整体師やお医者さんにストレッチして下さいと言われた人。
ストレッチの前に準備運動が必要です。
手首回したり、屈伸したり。
どんなものが必要か動画に撮りました。
ご覧下さい。
肋骨の下を締める 〜 大人バレエな疑問について
大人からバレエを始めた方から質問を頂きました。
レッスンで「肋骨の下を締めて下さい。」と言われたそうです。
でも、肋骨の下を締めると上半身がコチコチになって動きが取れなくなるとのこと。
どんな風にやっているか実際にやってもらい感覚を話してもらいました。
先生の言葉通り、肋骨の下を締めていました。
肋骨の上にコルセットを巻いて、ぎゅうぎゅうに締める感じです。
その状態で動き出そうとすると、締めるのが外れるか、締めすぎて動けない感じになる。
そりゃまあそうなります。
肋骨の下締めてしまえば、肋骨を周りから抑えているような状態になり、肋骨の動きは止まります。
これだとバレエがやりずらい。
どうすれば良いか?というのが質問でした。
肋骨の下を締めるというのは先生の感覚で、自分でやる時の感覚とは違うと思います。
同じ言葉を使っていても、人はそれぞれ使う筋肉が違ったりします。
見た目には同じように結果的に見えても、体の中でやっていることが違う。
この場合は締めてしまってコルセットを巻くようにしてしまっては、動きが取れなくなります。
丸い風船を縦長にしたいと思ったら、周りから締める方法もありますが、もう一つ方法があります。
上下に引っ張ります。
周りからは締めず、コルセット的なイメージもなく。
上下に引っ張る。
軸を引き上げると言われているのもこれに似ていると思います。
背骨の持っているS字カーブを少なくする。
反り腰の人は反りを減らし、猫背の人は丸い背がまっすぐになるような。
そんな動きです。
でもこれも外から見た事を言っています。
上下に引っ張るというのは、背骨を上下に長くするというこです。
ここでも言葉が難しいですね。
背骨の長さ自体は変わりません。
S字カーブをゆるく、頭と骨盤が離れるように、背骨を上下に押すように使います。
これで体幹・上半身という球体が上下に長くなり、肋骨の下が締まったような形に見えるようになります。
ほとんどの方は体の周りの筋肉を使います。
大きな筋肉なので使いやすいし、体幹という言葉を体の周りの事、周りの筋肉の事と考えているようです。
でもポイントは体の中心にある背骨。
背骨をどうするかを考えてやってみて下さい。
S字を長くするような動きを背骨にさせているだけなので、肋骨も体幹も動きます。
これを目指してみては。
と大人リーナに提案しました。
???ってな感じでしたが、まあ少しは理解出来るということでしたので、次回まで少しずつレッスンで試してもらうことにしました。
大人バレエな道は長い。