どうして強押しにしなかったのか。
2001年に整体院を開業する時、幾つかの手技が身についていました。
強く押す方法もやっていたし、今使っている軽くトントン刺激を入れる方法(指針整体)もやっていました。
骨格調整もボキボキする方法も学んでいたし、今やっているボキボキしない調整法も勉強していました。
どちらも効果はあるし、結果も出ますが、開業する時には軽くトントンする指針整体とボキボキしないMETを使う事にしました。
ボキボキする方法を使わなかった理由は簡単です。
時間が足りなかった。
一応、一通り調整技術は学びましたが、使えるほどには熟練していなかった。
会社を辞めて半年くらいで開業したので、練習する時間がなかったんですね。
学校を出たら技術が身についている、というのは一面当たっていて一面間違っています。
出来ることは出来るけど、まだ身についているというほど習熟はしていません。
これはどの学校でもそうだろうと思います。
強く押す方法を使わなかったのは、ちょっと色々考えてでした。
強く押す方法は個人的に好きだったし、上手いとも言われていました。
ただ、指針整体を自分が受けた時の衝撃が忘れられませんでした。
とにかく体が軽くなる。
荒木のやっていた強く押す方法は、受け終わった後に体がとろけるように緩みましたが、少し重くなった印象がありました。
それが指針整体は全くない。
逆に体が軽くなり脚が動きやすくなる整体でした。
今でも強く押す(というとちょっと違うんですが)方法もたまに使います。
でも基本は指針整体で軽くトントン刺激を入れています。
コリや疲れは、強揉み強押しでなくても取れます。
最近は強揉み強押しの整体が増えているように思います。
チェーン展開しているお店にごくごくごくたまに行くと、強さはどうしますか?と聞かれます。
普通でというと、結構強く押されてしまう。
もっと弱くと言うと、えっこんなんで良いんですか?と逆に聞かれたりします。
強く押す人が増えていて、強く押されるのを望む人も増えているんだろうと思います。
逆に強く押されたくない人もいます。
強く揉まれたくない人もいます。
最近の強揉み強押しは、痛気持ち良いのを通り越す事があるようなので、それが怖いという人がいます。
強く押されると、あざになってしまう人もいます。
揉み返しが嫌と言う人は、けっこう多いようにも思います。
筋肉は強く揉まなくても強く押さなくても緩みます。
柔らかくなるし動きやすくもなるし、軽くもなります。
硬くなっていれば、ぎゅうぎゅう押さないと柔らかくならないと思われがちですけど、そんな事はありません。
例えばお風呂に入ればある程度柔らかくなりますね。
あれは血流が良くなって筋温が上がるから、柔らかくなると言う事があります。
トントン軽い刺激を入れると筋肉は勝手に緩みます。
子供の小さな手で肩叩きをすると、軽くなったような”気が”しますね。
でもあれ気がするんじゃなくて、軽くなっています。
筋肉にはそう言う性質があります。
自律神経系の働きを使う事で緩む事もあります。
強揉みや強押しが嫌だという人は、整体を避けるんじゃなくて、強くしないところを探してください。
てあて整体院は指針整体という力を使わない軽い整体をやっています。
てあて整体スクールでは指針整体を教えています。
骨格のズレや歪みもボキボキしないで調整しています。

強押し強揉み
てあて整体スクールの在校生が整体サロンで仕事を始めることになりました。
スクール卒業後の開業に向けて、患者さんに触れる機会を増やすこと、様々な体を施術することで経験を積んでいくこと、サロンの経営的なことを学ぶこと、サロンの運営的なことを学ぶこと、などが目的です。
仕事を始めるに当たって、そのサロンで使っている手技の簡単な説明があったそうです。
強押し
強揉み
とにかく徹底的に強く、グイグイ押すことを求められたそうです。
もっと指に力を入れて。
もっと深く。
もっと強く。
まだまだそれじゃ弱い。
そんな風に言われて、一日の練習で指が痛くなってどうしようかと思っているとのことでした。
強押しや強揉みと呼ばれるようなやり方があります。
セラピストや整体師にそれを求めるサロンがけっこうあります。
以前はもっとあったと思いますが、最近もまだまだけっこう残っているようです。
とにかく深く。
とにかく強く。
とにかくグイグイ。
来ているお客さんもそれを求めているということで指導されます。
少し時間を取って生徒さんに強押し強揉みの体の使い方を教えました。
指で押そう指に力を入れようとすると失敗します。
患者さん(お客さん)の体にも良くないし、やっている整体師も体を壊します。
一言で言えば体全体を使う。
指だけや手だけや腕だけで押すのではなく、体全体を使います。
その上で手指の使い方にも注意が必要です。
上手く体を使えば、指を壊すことはありません。
体を使って出来れば、強い刺激や圧が入ります。
例えば、ピッチャーが投げたボールをバッター打つ時のことを考えてみて下さい。
同じ150キロのボールを打つとして、バットスイングが同じでも飛距離は人によって違います。
タイミング(打点)やスィング角度が違えば、ボールに伝わる力が変わって来るからです。
同じように整体などでも、指を当てる場所、角度、体の使い方で全く伝わる力が変わります。
強押し強揉みは良くないという声を聞きます。
一概に言えないと思っています。
強く押されても強く揉まれても、揉み返しがない先生はいます。
上手な先生はどんなに受けている時に強くても、後に残らない。
そういう手技があります。
でも、むやみに強くしてしまうと、筋繊維や毛細血管に損傷を与えてしまう可能性があります。
てあて整体スクールで教えている指針整体やMETは、全く強い力を使いません。
弱い力で軽くやっています。
ただ、軽くやっていても、芯に届く方法があります。
むやみに弱いだけでは効果がありません。
きちんとした刺激が伝わるように練習する必要があります。
手技は奥が深いです。




