普通のことは普通でない。
毎月1回、第一日曜日の午前中にアレクサンダーテクニーク・グループレッスンを開催しています。
長い人はかれこれ6年以上続いているレッスンです。
今月のレッスンのテーマはプロシージャ。
プロシージャはアレクサンダーテクニークを使うための練習で、FMアレクサンダーさんもやっていたものもあるようで、幾つか世界中で共通して指導されているものがあります。
荒木はそんなに頻繁にはやりませんが、基本を見直す時にやってみるようにしています。
この日はモンキーをテーマ、というか使って自分の使い方を見直す事をやりました。
モンキーは見た目はただ前屈みになって、背中が伸びているだけのようでもあります。
体が本来持っている方向性を思いながら、膝や股関節が緩んだ状態で立っています。
この形を作ることが目的ではなく、この時の自分を観察したり、何か変なことやりそうだったらそれをちょっとやめてみたり、背骨が長いこと背中が広い事を思ったり、膝は前に向かっていることを思ったりします。
状態というと言い方が違うのかもしれませんが、そうやって無駄なやらなくても良い事をやめたままにしておいて、体の持っている本来の姿に向かう(体の中の)方向性を思っている状態。
そうするとお猿さんのような形に見えるというだけです。
地味ですね。(笑)
でもなんか浮いたような感じがしたりします。
もちろん荒木個人の感覚なので、人によって違いますけど、膝が曲がっていて前屈みになっているのに辛くありません。
この格好は何かをする時の途中に見られます。
椅子に座る途中だったり、床に落ちているものを拾おうとする時。
パソコンの前に座っている時や電車の中で立っている時。
モンキーが上手く使えている時は、体が楽に使えていたりします。
考えてみると普通です。
至って普通です。
床に落ちているものを拾おうとする時、背中を丸くして膝を伸ばして取ることもできます。
でもゆっくりやってみると、膝と股関節を曲げれば背中の状態は変わらずにできます。
腰が痛くならない。
電車の中で座っていると、背中を丸くして座面に尾骨を当てるように骨盤を後ろに倒して座っている人が殆どです。
でも、骨盤を立てて坐骨が座面に当たるようにすれば、背中は伸びたまま腰は曲げずに座れます。
腰が痛くならない。
知らず知らずのうちにやっていて普通なんだけど、実は普通じゃないって感じですね。
習慣って恐ろしい。
アレクサンダーテクニークのテーマでもあります。
いや違うか。
テーマっていうより、習慣から離れてみるというのが、アレクサンダーテクニークの方法だったりします。
今月のグループレッスンを受講している生徒さんが言っていました。
「なんだか特別なことを教わっている気がします。でも人にはどういうことかなかなか伝えられないんですけどね。」
確かに説明は難しいかもしれません。
口で言うより体感するものだと思います。
そして実は特別な事ではないかもしれません。
普段やっている普通(と思っている・感じている)の事が普通じゃなくて、本来は普通の事が特別に感じてしまうだけかもしれません。
アレクサンダーテクニークは言葉で説明を聞くより、体感する方が良いかなと思います。
言葉で分かったと思っても、体感していないと使えないし、言葉で分からなければ、本当はすぐに体感出来るのに一生分からないって思ったりしてしまうかもしれないから。