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姿勢について具体的な話

読了までの目安時間:約 3分

先日の患者さんにベッドに”普通”に座ってもらいました。


猫背姿勢

どんな感じですか?と聞くと、普通です、いつもこんな感じ、とのことでした。
で、写真を撮って見て頂きました。
あれっ、けっこう丸いですね。
はい、そうなんですよ、けっこう丸くて猫背ですね。

普段の自分の姿勢を普通に感じているので、普段の姿勢は真っ直ぐな感じがします。
そんなに丸くないだろうとか、そんなに反っていないだろうと思っています。
これ自体は普通のことです。
人間はそうやって普段が普通と感じるように出来ています。
いちいち違和感感じていたら大変ですから。
でも、丸いですね。
そこで、姿勢を少し変えてもらいました。


普通姿勢

感想を聞くと、けっこう反ってますね、とのこと。
写真を撮って見て頂きました。
あれっ、けっこう真っ直ぐですね。
はい、そうなんですよ、これでけっこう真っ直ぐなんです。
反ってる程ではない。

だから普段が変なんです、とは言いません。
普段は普段ですから、普通に感じるのがあたりまえです。
今は急に真っ直ぐにしたので、普段よりも反っている感覚がある。
それが普通です。

幾つか確認していきます。
股関節が緩んでいるか。
坐骨が立っているか。(骨盤が立っているか)
背骨・腰骨も立っているか。
頭は骨盤のだいたい真上にあるか。

その上でいつもより腰が反った感じだけど、それは反った感じだけで、力を入れてる訳じゃないのを感じてもらいます。
もしくは、力が抜けてる場所・位置・状態を探してもらいます。
瞬間的に感じるよりは、力が入っていないことに気が付きます。

これでも良いかも、というのを確認したいんです。
腰を反らすんじゃなくて、股関節を緩め、骨盤が力を入れなくても立てる位置を探し、その上に肋骨や頭を乗っけていく。
出来るだけ力がいらない場所を探します。

そうやって姿勢を作ってもらいます。
こんな状態もあるということを感じてもらいます。
たまに、試してもらえれば、少しずつ姿勢が変わる可能性が出てくる。

姿勢は呼吸や血流や内臓の状態に影響します。
見た目的にも大切ですけど、それ以上に体のために大切です。
気をつけて下さい。
良い姿勢で生きていこう。

最近、姿勢について感じる事

読了までの目安時間:約 3分

最近、90代の母と同居をすることになり、デイケアセンター的なところを何箇所か見学したり体験したりしています。
また、病院にも月に何度か行くようになりました。

高齢者の姿勢が良くない。
若者の姿勢も良くないですが、高齢者も良くない。

歳をとったんだから当たり前、とは思いません。
姿勢の良い高齢者もいます。
でも、姿勢の良くない高齢者の方が多いと思います。
殆どの人は猫背気味で腰が曲がって丸くなっています。
これにともないO脚気味の人もいます。

姿勢は呼吸や血流に、直接、影響します。

背中が丸くなっていれば、当然、呼吸は浅くなります。
血流も悪くなる。
肺は肋骨の中にあります。
背中が丸ければ、肋骨の前が潰れ、胸腔と腹腔(胸と腹の空間)が押しつぶされたようになっています。
心臓も肋骨の中にあるので、圧迫されている状態で、心臓から出た大動脈は背骨の前を胸から腰にかけて走っているので、これも曲げられたような状態になります。

良くないなぁと思います。

仕方がないと思わないでもらいたい。
姿勢は良くなります。
良い姿勢は呼吸と血流が阻害されていない、楽に息が出来て、自然に血液が流れている状態です。

沢山の人を見ていると、60代くらいから変化があるように思います。
80代くらいになって急に悪くなることもある。
気をつけてもらいたいと思います。

先ずは座っている時の姿勢です。
骨盤を立てることが大切です。
最初は無理に立てている感があるかもしれません。
それでもしばらく立ててみて下さい。
そのうちに少し慣れてくるので、慣れてきたら力を抜いて骨盤が立つかどうかためして下さい。
背骨は前後に湾曲があるので、上手く立てれば、力はいらないはずなんです。
座っている時にはそれが感じやすい。
座っている姿勢が良くなってきたら、立ってる時も気をつけて下さい。
先ずは座ってる時に気を付ける事です。

それでも無理ならアレクサンダーテクニークなど、自分の姿勢を見直すために使って下さい。
個人レッスンやグループレッスンがいろいろなところで受けられます。
荒木もやっています。


猫背女子猫背男子

猫背の人が真っ直ぐになると反っていると感じる話【動画あり】

読了までの目安時間:約 1分

猫背の人が真っ直ぐにすると反っていると感じます。
反り腰の人が真っ直ぐにすると丸くなったと感じます。
人の脳はそんな風に勘違いのような事をします。
その方が便利なことが多くあるからだろうと思います。

でも、この性質が姿勢や呼吸を指導するのが難しい原因の一つでもあります。

真っ直ぐになったのに、”自分の感覚に正直にすると”元に戻ってしまう。
だからと言って自分の感覚はすぐには、変わってくれません。
先ずは力が抜けているかどうか、硬くなっているところがあるかないか、などなど。
事実を確認して行きます。
そこで、違和感や実際と違う感じがするのを、同時に確認します。
そうやって少しずつ感覚を合わせていくような事をする事だと思います。
動画でも話をしています。


スーパー銭湯で姿勢を考えた

読了までの目安時間:約 4分

ゴールデンウィークの真っ只中、スーパー銭湯に行って来ました。
いや人が多い。
ま、それは仕方がないとして。
とても気持ちよく、サウナや電気風呂に使って来ました。
職業柄なのか職業病なのか、人が沢山いるとつい姿勢や座り方を見てしまいます。
風呂から出て来てベンチで座っている人が9人いました。


仙骨座りというのか骨盤座りというのか、腰と背中を丸くして骨盤を後ろに寝かせて座っている人が8人でした。
そして何故か片膝を立てている人が数人いました。
これ流行ですか?
老若男女、年代にあまり関係なく男女もあまり関係なく、みなさんがそう言う座り方でした。
荒木が推奨していない座り方です。
これやると大変ですよねと言っている座り方です。
本人は何ともない(つもり)ですが、実際は背骨にも良くないし、呼吸も浅くなります。
姿勢としては猫背や巻肩やストレートネックになりやすい姿勢・座り方と言えます。
だいたいこんな感じ。


仙骨座り

苦しい。
普段の荒木はこんな風に座らないので、腰も胸も苦しい感じがします。
でも毎日これで座っていると、苦しいとは思わないと思います。
”いつも”がこれだからです。
そして一人だけ全く違う座り方をしている人がいました。
だいたいこんな感じ。


2歳児座り

この座り方をしていたのは、たぶん2歳前後の子供でした。
真っ直ぐ。
骨盤が立って坐骨が座面に突き刺さるような方向で、骨盤・背骨(脊柱)・頭蓋骨が上下に綺麗にならんでいました。
脚は股関節から曲がって、よく動く感じ。
そして楽そうにニコニコしながらお母さんの横に座っていました。


これが、5歳くらいになると、もうすでに仙骨座り・骨盤座りでした。
スマホやゲームをやっている姿勢が皆んなそうでしたね。


2歳くらいまでの子供は元々の自分の使い方で自分の姿勢になっている、のではないかと思いました。
その位の年齢までは、体が求めるような使い方になってるのかなと思ったり。
5歳くらいになるともう仙骨座りになっているので、かなり早い段階で学習するんだなと思いました。
親や周りの座り方を学習する。
どうしましょ。
と思います。
今は姿勢はうるさく言いませんからね。


これはたぶん由々しき問題になっていくんだろうと思います。
いや、既に問題は進行していると思う。
でも現実問題としては、全然見えないんだろうとも思います。
知らないうちに進行していく。
現代病と言われる病気が、知らないうちに進行していくように、この姿勢が新たな問題を作っていく。
あるいはもう既に作っていると思います。
でも、問題が表に出てくるまでは、何が問題なのかも分からない。
人は自分の今の状態が初期値(デフォルト)で正しいと解釈しがちです。
猫背の人は元々猫背だと思うし、反り腰の人は元々反り腰だと思う。
そこから猫背や反り腰でない状態になると、違和感があるし変だと感じます。
だから、直しずらい。
だって今が正しいと感じているわけですから。
変だとも大変とも辛いとも思わないんだから、直そうという気持ちにはなりません。


何か手立てはないかと考えたりします。

猫背は腰痛の元

読了までの目安時間:約 3分

猫背の人は腰痛だ。
という話ではありません。
猫背は腰痛の原因になることがあるという話です。


背中が丸いことを猫背と言います。
この場合に背中と言っているのは、背骨(脊椎)のうちの胸椎のあたりの話です。
胸椎というのは胸の辺りの背骨のことで、肋骨がくっついている背骨のことです。
胸椎の上には首の骨(頚椎)があり、胸椎の下には腰の骨(腰椎)があります。
そして腰椎の下には骨盤がある。
胸の骨と首の骨と腰の骨と骨盤は、別々に感じるかもしれませんが、全部繋がっていて背骨と呼ばれています。


脊柱

上のイラストは背骨ですが、どこが首でどこが胸でどこが腰かわからないですよね。
骨盤はなんとなく一番下の辺りかと思うと思いますけど。
これに肋骨や肩甲骨や腕や脚の骨も加わると、下のイラストのようになります。


背部骨格

何となく首・胸・腰の区別がつくかもしれません。
でも、繋がっているのは分かりますね。
猫背の人は背中が丸いというのは、この胸椎の辺り、肋骨のある辺りが丸くなっているということです。
当然ですけど、首の骨(頚椎)や腰の骨(腰椎)や骨盤にも影響が出るのが分かると思います。
背中(胸椎)が丸くなれば、腰も丸くなるかもしれず、そうなると骨盤が後傾気味になるかもしれません。
人によっては逆に腰の骨の反りが強くなって、反り腰になり出っ尻気味になるかもしれません。
首は背中が丸くなることで、前に出ることが多いですが、前にでなければ首の反りが強くなるかもしれない。


背中が丸いというのは、背中だけが丸くなって他は元のままということではありません。
背中が丸いと腰の骨や骨盤との位置関係が変わります。
そうなると腰あたりの筋肉が伸びて硬くなったりします。
それが腰痛の原因になることがあります。
同じように猫背が肩こりの原因になっていることもあります。


生まれつき猫背の人はいません。
物心ついてからずっと猫背で、両親が猫背で兄弟も姉妹も猫背だったとしても、猫背は遺伝ではありません。
子供の頃の写真を見て下さい。
みんな背中は立っています。
いつの間にかそうなっている。
猫背が改善されれば腰痛も改善されることがあります。
ただし、胸を反ったり、背中を伸ばして猫背を改善させても、長続きしません。
姿勢は時間をかけて作ってきたものなので、少しずつ見直していくことが大切です。

姿勢改善のための二つの方法

読了までの目安時間:約 6分

姿勢を良くするには二つの方法が大切と考えています。


・姿勢によって硬くなった部分のストレッチ
・姿勢改善のための体の使い方


どちらか一つだけだと上手くいかないですね。
ストレッチだけだと一時的には良い姿勢になるかもしれませんが、体の使い方が変わっていなければまたすぐに元の姿勢に戻ります。
猫背や反り腰、O脚などでも同じです。
猫背だったら体の前面が縮んでいて硬くなっています。
胸が開きにくい感じですね。
これだと体の前面が狭くなって、後ろ側(背中)が伸びて広がるり猫背になります。
体の前をストレッチするには色々な方法がありますが、例えば仰向けに寝て万歳する。
背中の肩甲骨あたりにクッションを入れると、さらにストレッチが効きます。
そうやって体の前面が伸びた状態を作れば、少しの間は猫背が解消されるかもしれません。
でもまたいつものように、体の前を縮めるような使い方、立ち方や座り方をしていると、元の(本来は元ではないけど)猫背に逆戻りします。


そこで姿勢改善のための体の使い方を身につけます。
これがなかなか厄介です。
殆どの人は、自分の体の使い方で姿勢が(今のように)こうなっているとは思っていません。
元々、こうなっていると思っていたり、知らないうちにこうなってしまったと思っています。
自分でやっているつもりはありません。
だから元の体に戻そうとする時に、無理矢理戻そうとしてしまいます。


猫背の人なら胸を反らそうとします。
反り腰の人なら腰を丸くしようとします。
O脚の人は膝をつけようとしたりします。
でもこれだと続きません。
知らないうちにそうなっている姿勢は、知らないうちにそうなっているように、使い方を変えなければいけないからです。
自分で帰るのに、知らないうちにそうなっているように変えるって?
ですよね。


アレクサンダーテクニークはそういうところにアプローチする方法です。
でも多くの人はアレクサンダーテクニークを知りません。
そこで、どうやって自分の体の使い方、猫背じゃない、反り腰じゃない使い方をすれば良いのか。
O脚については少しアプローチの説明が難しいのでちょっと横に置いておきます。
ここでは猫背や反り腰の話として聞いて下さい。


座ります。
脚を開きます。
体を前に倒します。
頭が床に近づくまで倒します。
そこから骨盤を立ててきます。
背骨や頭は後からついてくるように。
骨盤から順に下から立ってくるように。
骨盤が立ってくると坐骨を感じます。
その坐骨(骨盤にある座面につく骨)を感じます。
坐骨が立つところまで骨盤を立てます。
イメージで良いです。
突き刺さる感じです。
そこで骨盤の動きは止めます。(体はまだ前に倒れている。)
骨盤はそのままで腰を立ててきます。(胸や頭はまだ。)
腰が立ったら、胸を立ててきます。(首や頭はまだ。)
胸が立ったら、首を立ててきます。(頭はまだ。)
最後に頭を立てます。
坐骨から腰骨・胸・首・頭が一直線に並んでいるのを感じます。
重さを感じない、筋肉が殆ど働いていない状態。
そこで前後に揺れてみて下さい。
揺れると後ろや前に緊張が少し出たりします。
緊張が出ない真ん中。


そこがあなたの元々の姿勢です。


ほら楽でしょ。
その感じを覚えます。
猫背でも反り腰でもない時のあなたの体の使い方でできた姿勢です。
何もやってない感じかもしれません。
多分、いつもと違う感じだろうと思います。
頼りないかもしれません。(どちらかに緊張がないから。)
でもそれです。
写真が撮れれば横から撮って確認して下さい。
無理矢理ではなく、知らないうちに出来ている自分の姿勢の確認です。
それが上手くいけばソレがそれです!


椅子に座って姿勢が出来れば、立つのは割合簡単だと思います。
坐骨にある重心を足裏に移動、その時に、坐骨から腰・胸・首・頭の位置関係と力が入ってない感じを忘れないように、変わらないように移動します。
斜めになるかもしれません。
ある程度真っ直ぐ出来るかもしれません。
そこから股関節と膝関節など伸ばしていきます。
完全に伸びきらない所で鏡をみて下さい。
膝も股関節もまだ動く余裕のあるあたりで、実は膝も股関節も伸びてるように見えます。


そうやって姿勢を見直してみてはどうでしょう。
一つの提案です。
そうだ、姿勢改善にトレーニングが必要なんじゃないか?と思う人もいると思いますが、荒木は不要だと思っています。
自分の姿勢のための使い方を変えないで、ストレッチとトレーニングだけで姿勢を作ろうとすると、今の姿勢で硬くなっている筋肉はそのままで、新たに筋肉をつけることになると思います。
全身が緊張して結果的には上手くいかないかなと思います。


姿勢ビフォーアフター

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