膝が痛い 〜 原因を見つける方法 〜
今日は整体スクールの骨格調整の授業でした。
参加された皆さんは骨格調整の授業に全員2回目以上参加されています。
こんな日は基本的な調整法の練習をした後、実践的な授業をすることがあります。
で、今日はそんな実践的な授業でした。
一人の生徒さんの膝が痛いとの事。
これをどうやって施述するかと言う内容にしました。
先ずはどんな時に痛みが出るのかを聞きました。
歩いている時との事だったので、歩いてもらい痛みがどのタイミングで出るのかを確認しました。
体重が乗った時に痛みが出ているようです。
次に全員で膝の触診をします。
ここで触れた感じと、触れて痛みがあるかないか、を確認しました。
痛みのある部位は、少し腫れ感とまでは言いませんが、皮下組織が緩いような弾力を感じました。
次に動きです。
腹臥位で膝を曲げ伸ばしした時の、下腿の動きを見ました。
少し外側に緊張を感じました。
また、仰臥位で見ると、痛い側の下腿が少し外転していように見えました。
生徒さんが全部が全部分かった訳ではありませんが、解説しながら触診したり動きを見たりして、確認して行きました。
膝の捻れがあり、内側が伸展していることで、体重が乗った時に痛みを感じる。
と推定しました。
ここから施述です。
膝の外側を少し開くような、動きが出るような調整をし、大腿四頭筋の緊張を取り、テーピングしました。
歩いてもらうと、痛みは消失。
足裏の重心が変わったとのことでした。
スクールを卒業して独立したり開業したりしたら、自分で原因を考えなければいけません。
症例別の授業で考え方は話をしていますが、実感がないためか自分で組み立てるのは苦手な生徒さんが多い印象です。
ということでたまにこんな授業も行います。
膝痛
膝関節のイラストです。
膝関節は大腿骨(太ももの骨)と脛骨(スネの骨)の二つの骨で出来ています。
膝が二つの骨だけで出来ているので、膝痛は二つの骨のことを主に考えます。
形だったり位置関係だったり動きだったりです。
骨の形が変形している場合や、膝関節の間にある半月板が変形している場合。
その形なりに立ったり動いたりすると、イビツな形で動いたりイビツな方向に動いたりします。
そのことで筋肉や筋膜、その周りの柔らかな組織が捻れたり縮んだりして、硬さや炎症が生まれ痛みに繋がったりします。
どうするか。
骨の変形や半月板の変形を手技で直すことは出来ません。
でも位置関係を元に戻すことは出来ます。
捻れたり縮んだりしている筋肉や筋膜や柔らかな組織を調整することで、元の位置関係に慣れるような状態に戻します。
骨や半月板などの硬い組織の形は変わりませんが、それを繋いでいる柔らかい組織は伸ばしたりすることが出来るからです。
位置関係が戻り元のような動きが出来れば、縮んでいた筋肉や筋膜など柔らかな組織に血流が促され、炎症も治りやすくなります。
同時に痛みを感じる物質も血流に乗って流れていくことになります。
大腿骨と脛骨の位置関係は、大腿骨と脛骨だけを調整する訳ではありません。
大腿骨は骨盤から繋がっているので、骨盤や腰椎の歪みや動き、股関節の動きも調整します。
これは骨や半月板が変形していない場合もそうです。
膝周りに変形がなくても、骨盤の歪みや股関節の動きが生理的でなければ、左右の膝の状態が違ってしまう事があるからです。
骨盤の歪みや腰椎の歪み、股関節の左右の状態、膝関節の位置関係を整えることが必要になります。
骨と骨が当たって痛いんじゃないか?と思っている人がいるかもしれません。
でも、関節の中の骨の表面には神経がありません。
なので骨同士がぶつかっても痛みはありません。
ただ、軟骨が崩れたりすると、その中にある神経が痛みを感じます。
そうなると手技では難しい状態になってしまいます。
セルフケアは大腿四頭筋(前もも)をストレッチすること。
この筋肉を緩めておくと、膝関節の隙間が出来、動きやすくなることで痛みが軽減されることが多くあります。
普通にやるのが難しい場合は、膝の間にタオルなど畳んで挟んで、少しずつ正座のようにストレッチすると出来るようになります。
てあて整体スクールの症例別授業ではこんな内容の話と、緩めたり歪みを取ったりする手技の勉強をしています。
症例別授業 〜 O脚ビフォーアフター
月曜日、てあて整体スクールは症例別の授業でした。
症例別というのは腰痛や肩こり、膝痛やその他の痛みや症状について、どんな風に原因を考えるのかを学ぶ授業です。
腰痛や肩こりの時に、この時はこうすると決まった手順を教える授業ではありません。
患者さんが目の前に来た時に、どんな風に考えれば良いのかを学びます。
2年も3年も通う学校ではないので、限られた時間の中で自分で考えるためのベースを身につけてもらいたいと思っています。
とは言え症状の原因には傾向もあります。
傾向を知っておくことも大切なので、そんな話もします。
話が割と足早になってしまうので、聞き流してしまうと穴が空いたようになってしまうかもしれません。
そんな時は何度も聞き直して貰えば、何度も説明し直すようにしています。
出来れば一回で考え方を自分に染み込ませて欲しいんです。
2度は説明したくない。
でも、分からないままに卒業してもらうのはもっと困るので、説明は何度でもします。
ナンカ嫌味な書き方ですみません。
でも、一度で覚えてやろうと思うくらいで丁度良いと思っています。
覚えてもらうために、考え方や見方の話をします。
O脚の話をしました。
O脚にはいくつかのパターンがあります。
パターンに分類出来ない人もごくたまにいますが、パターンの考え方も知っていれば対応も出来なくはないと思っています。
授業に来ていた生徒さんです。
どちらの写真も左ビフォーで右アフターです。
見れば分かるくらいには変化しています。
この時は施述はしていません。
立ち方を変えてもらいました。
O脚の一つのパターンは、内股になっているパターンです。
内股になるにも色々な原因があるので、原因は問診などで聞く必要があります。
ただ結果として内股になっているO脚の人は、膝を後ろに押して伸ばしている、膝関節が捻れて膝(膝蓋骨)が内側に位置している。
ということがあります。
膝を伸ばしすぎって感じです。
なので、膝を伸ばす時に、膝を後ろに押し付けるのをやめてもらいます。
曲げた膝を少しずつ伸ばして行きますが、外見上は伸びた後も膝を後ろに押そうとするので、それをやめてもらいます。
その上でお尻を締めてもらうように立ちます。
股関節の外旋(外まわし)をすると、お尻がしまったような感じになります。
(後ろからの写真左で分かります。)
そうやって立ち方を変えただけで、膝が近寄ります。
膝を近づけようと内側に締めたりはしていません。
ウソみたいかもしれませんが、本当です。
ちょっと上手く行きすぎているのは、たまたまそう言う使い方をこの生徒さんがしていたということです。(膝を後ろに押し付けて内股)
この後、歩き方の指導もやっています。
歩き方で立ち方が代わりO脚になってしまうこともあります。
もう幾つかのパターンもあります。
そして実際に膝の調整をする時は、当然骨格調整をします。
てあて整体スクールはO脚矯正や調整を専門にやっている訳ではありませんが、考え方は知っておいてもらいたいと思います。
てあて整体スクール
東京都練馬区東大泉 5−27−18ーAteate@nifty.com
03-3922-7230
※生徒募集しています。
興味のある方は連絡下さい。
肩甲骨はがし
「肩甲骨はがし」という言葉を聞くようになりました。
街を歩いていて写真を見たりすると、昔からあった手技だと分かります。
上手な先生が受ける人の状態見てやれば気持ち良いんだよね。
と思います。
でも、上手でない先生が、受ける人の状態に関係なくやると、気持ち良くないばかりか、調子が悪くなることもあります。
どんなことでもそうかもしれませんが、看板に「肩甲骨はがし」なんて書いてあると、ひょっとして入店者全員にするんだろうかと思ったりして気になります。
肩甲骨はよく動く骨です。
肋骨の上に乗っていて、肩甲胸郭関節で胸郭と繋がっていますが、肩甲胸郭関節は真の関節ではなく、筋肉で繋がれて胸郭(肋骨)の上にあるだけです。
筋肉で繋がっているので、胸郭の上を滑るように大きく動きます。
肩甲骨をつないでいる筋肉が硬くなると肩こりになりやすいので、肩甲骨を動かすことで肩こりなどを解消しよう、というのが肩甲骨はがしの目的だろうと思います。
(左:僧帽筋、右:菱形筋等)
受ける人の状態ってどういうことでしょう。
肩甲骨を胸郭につないでいるのは、僧帽筋や肩甲挙筋・菱形筋・前鋸筋・小胸筋など沢山の筋肉があります。
その筋肉が硬い状態で動きづらい状態だったら。
まずは動きを出し緩め柔らかくしてからの方が安全だろうと思います。
もちろん上手な先生が慎重にすれば、そのままの状態でも出来る可能性はあります。
もう一つ気になることもあります。
殆どの肩甲骨はがしの写真は、肩甲骨と背骨の間の菱形筋あたりから、肩甲骨の内側に手指を入れています。
上手な先生なら別ですよ。
でも上手でない先生なら、菱形筋や僧帽筋の側ばかりがストレッチされます。
肩こりの多くは肩甲骨が前や下に引っ張られ、菱形筋や僧帽筋が伸ばされて起きています。
その僧帽筋や菱形筋を伸ばすと、肩こりは良くなりません。
気持ちは良いですけどね。
気持ちが良いからと言って、肩甲骨はがしで背中側ばっかりストレッチしたりするのは気をつけた方が良いと思います。
肩こりの施術は何に気をつけるべきか、てあて整体スクールでは症例別の授業で学びます。
てあて整体スクール
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