患者さんはマニュアル通りになりません。
整体院にはさまざまな患者さんが来ます。
腰が痛い、肩が凝る、膝が痛い。
疲れる、眠れない、なんだか調子が悪い。
腰の痛みでも、ズキズキもあればズンズンもあるし、ギュギュッとしているというのもあるし、ズーンと重いというのもある。
腰のすぐ上だったり腰の下だったり、背骨の近くだったり、背骨自体が痛いと感じることもあります。
動かした時に痛かったり止まっていても痛かったり。
年齢も性別も職業も運動習慣もバラバラです。
腰痛ならこうするというマニュアルだけでは対応出来ない事もあります。
患者さんはマニュアル通りにはなりませんから。
ではどうすれば良いか。
整体学校や整体スクールでマニュアルしか教えて貰っていなかったら、そのマニュアルの意味している事を考えて下さい。
どうしてそうするのか。
どうしてこの順番なのか。
どうしてここに触れるのか。
どうしてここを押すのか。
どうしてここを緩めるのか。
マニュアルの意味を考えて下さい。
マニュアルが出来る理由は、患者さんの痛みや症状をどう捉えているかという考えが元になっています。
それが分かっていれば、マニュアルが通用しない時に自分で考える事が出来ます。
痛みや症状に対して、別のアプローチをすることが出来る。
マニュアル通り手技が出来るのなら、手は出来ています。
あとは自分で考えるだけです。
自分の基準を作る事が大切です。
てあて整体スクールでは指針整体という全身を軽く動きやすくする手技と、部位別の関節のズレや歪みを調整する骨格調整の手技を教えています。
これを使って、患者さんの症状をどう考えるのか、症例別という授業で教えています。
患者さんの体や症状を捉える基準を教えています。
スクールでは生徒さんを随時募集しています。
スクール見学や指針整体の体験は無料で受け付けています。
連絡お待ちしています。
てあて整体スクール
東京都練馬区東大泉 5-27-18-Ateate@nifty.com
https://lin.ee/H5NyjYT
整体師
毎月通ってきてくれている患者さんの事。
数日前に現状把握のために整形外科受診して、リハビリとしてマッサージを受けた直後から坐骨神経痛様の痛みが出て、座っているのも大変な状況になったので、ちょっと診てもらえませんかと来院された。
レントゲンなど撮りましたかと聞くと、以前、撮ったので必要なかろうとマッサージに回されたとのことでした。
触診して腰椎の辷りが出ているような印象で(以前のレントゲンでは辷りはなくヘルニア的な事を言われた)、痛みなど話の内容から考えると、辷りが出てヘルニアが酷くなり、坐骨神経の一部を圧迫または牽引していて、痛みが出ているような印象だった。
腰椎の回旋もあって捻れが一部に集中するような感じがある。
とは言え診断は当然出来ないので、別の整形外科をすすめ再度レントゲンなど画像検査をしてもらうことにした。
施述は痛みのある部位には触れず、骨盤周りを遠くから少し動かして、胸椎・頚椎の椎間関節を緩め、下肢の筋肉を緩めて神経自体を緩めるようにしたが、痛みはそれほど減らない。
何とも言えない整体になったが、救いは笑顔で帰っていかれた事くらいか。
と、こんな事を整体学校の先生が書いて良いものかと思うが、実際の整体ではこういうこともあると言う事で書くことにした。
その場ではどうしようもない患者さんがいます。
その場ですぐに触れている途中で痛みが消えて行く患者さんもいます。
でも、その場ではどうしようもなくて、痛みが取れない患者さんもいます。
そんな時は自責の念にかられながら、申し訳ないと思いながら患者さんをお見送りする事になります。
家に帰って自分で出来る事、日常生活で注意する事。
そんな話をして見送るが、本当はその場で痛みを取りたい。
でも、出来ない事もある。
辛い。
いや辛いのは患者さんで、辛くなっている場合ではない。
患者さんが笑顔で帰ってくれるのは唯一の救いだけど、それじゃ整体師としてはなぁと思います。
一発で治る手技的な事がSNSなどで宣伝される事があります。
もちろん一発でその場ですぐに治ることもあると思いますが、全部が全部治る訳ではありません。
だから日々考えて整体する訳ですけどね。
たまにはこんな話も。
一瞬で痛みが取れる!ってのは本当なんでしょうか。
ユーチューブやティックトックなどインターネット上には本当に沢山の情報があります。
たまに、一瞬で痛みが取れる!みたいな動画や記事を見ます。
あれ、本当なんでしょうか。
たぶん、本当です。
痛みが一瞬で取れることはあります。
そしてその手技を公開している先生もいます。
患者さんがキョトンとした顔をして、あれっ!?アレアレッ!?本当に痛みが取れました!みたいなリアクションをとっていたりします。
あれは嘘ではないと思います。
その時その瞬間痛みが消えるということがある。
どうしてでしょうか?
痛みにもざまざまな種類がありますが、基本は頭で感じるものです。
怪我や傷害があって物理的に肉体が傷つけられていると、そこから出た痛みを感じる物質を神経終末が拾って、脳で痛みとして感じます。
逆に怪我や傷害がなくなって物理的肉体的には正常な状態に戻ったのに、頭の中で痛みだけを感じることもあります。
そして、体の位置関係や歪みで、痛みを感じるような状態になっていることもあります。
物理的に傷つけられている状態の痛みは、手技療法一瞬で消すのは難しい。
痛み止めや麻酔など、脳で感じる痛みを感じさせないようにする処置であれば、痛みとして感じなく出来ることもあると思います。
肉体的には正常なのに、脳で痛みを感じてしまう場合は、認知行動療法などを使えば痛みを感じなくなることもあります。
肉体的には変化はないので、さまざまなことの認知を脳で処理する方法を変えるというようなことで、少し時間がかかるだろうと思います。
でも、これは一瞬で認知が変われば、変わる可能性もあります。
体の位置関係や歪みで痛みを感じている場合、位置関係が一瞬で治れば、痛みは感じなくなると思います。
でも、これで整体や施述は終わり、ということはないと思っています。
習慣的な体の使い方で痛みが出るような位置関係になっている場合、一瞬で痛みが消えても、一瞬で痛みが出たりします。(出ないこともあります)
てあて整体スクールで教えている整体は、一瞬で痛みを消すような方法ではありません。
体の歪みを整えたり、筋肉を軽く動きやすくして血流を改善することで、痛みが出ない位置関係や痛みが出ない使い方がしやすい状態にしています。
また、体の使い方や姿勢を指導して、痛みの出にくい体の状態を作ってもらうようにしています。
一瞬で痛みが消える整体もありますけど、アフターフォローも含めてゆっくり整体するのが、てあて整体スクールで教えていることです。
てあて整体スクール
東京都練馬区東大泉 5−27−18ーAteate@nifty.com
痛みって何!?
痛みとは
腰が痛い。
膝が痛い。
首が痛い。
痛みって何でしょうか。
怪我をしたから痛いんでしょうか。
転んで打ったから痛いんでしょうか。
病気になったから痛いんでしょうか。
「痛みは受容体と呼ばれるセンサーで、機械刺激(手をきる、画鋲がささるなどの刺激)、温度刺激(熱い、冷たいなどの刺激)、化学刺激(炎症が起こるなどの刺激)など様々な刺激を感じとります。」(「痛み・鎮痛の基本としくみ」秀和システムより)
この、痛みを発生させる受容体(受容器)は侵害受容器(感覚受容器)と呼ばれ、高閾値機械受容器とポリモーダル受容器のふたつがあります。
高閾値機械受容器は侵害性の機械刺激に反応する受容体があるだけですが、ポリモーダル受容器には侵害性機械刺激の受容体だけでなく、痛み物質(ブラジキニン)や痛みを増強させる物質(プロスタグランジン)に反応する受容体など沢山の刺激に反応する受容体があります。
え~とつまり、転んだり打ったりした時の痛みを感じる神経と、痛み物質やそれを増強させる物質に反応する神経があるってことです。
打ったり転んだりした時のものはどうしようもありませんが、腰痛や肩凝や膝痛などの痛みはその場所にある細胞から出た痛み物質などを神経がキャッチして痛みとして感じていると言うことです。
痛み物質って?
腰痛や膝痛や肩凝などで整体院に行くと、筋肉を緩めたり骨格の歪みを整えたりします。
そのことと痛みには何か関係があるんでしょうか。
人の体では毎日、新陳代謝が行われています。
新陳代謝とは古くなった細胞が新しい細胞に入れ替わることで、ある器官がそれまでと同じ働きを出来るようにしていると言うことです。
人の体には約60兆個の細胞があると言われ、平均して数だけで言えば約2年で全てが入れ替わるほどの新陳代謝が行われています。
新陳代謝をするためには、様々な物質が必要になるし、入れ替わって古くなった細胞は体の外に出す必要があります。
また、細胞が生きていくためには酸素が必要です。
今、生きている細胞に酸素や必要な物質(栄養素)を届け、古くなった細胞や物質を外に運んでいるのは、血液です。
血液がとても大切なのはそのためでもあります。
古くなった細胞が壊れたり、傷をしたり打ったりした細胞からも、痛み物質が出てきます。
痛み物質は細胞の中にある内や濃度が低ければ痛みとして感じません。
その痛み物質が濃くなると痛みとして感じることがあります。
慢性の腰痛や肩凝などはこれだろうと思われます。
自分で出来ることは?
痛みが物質であるならば、溜まってしまった痛み物質を体の外にどんどん流してしまえば痛みは軽くなります。
また、痛み物質が貯まらないようにすることも大切です。
痛み物質を流すには、血流を良くすることがとても大切です。
心臓から遠くて大きな筋肉と言えば、腓腹筋やヒラメ筋など脚のフクラハギの筋肉です。
これを動かすこと、つまり歩くことや運動することがとても大切と言うことになります。
また貯まらないようにするにはどうするか。
同じ姿勢で長時間いることや、歪んだまま同じ姿勢でいることは、血流を悪くさせてしまいます。
仕事中でも一定時間が経ったら少し体を動かすとか、休み時間や休日にはストレッチやラジヲ体操などをすることが、歪みや筋肉の硬さ(血流の悪さ)を改善することになります。
他にも
痛みは痛み物質だけが原因ではありません。
筋肉や骨格などの原因がなくても痛みを感じることはあります。
痛みの感覚が頭の中で繋がってしまいグルグルと同じループを回るような場合です。
原因がないから気のせいかと言うと、そんなことはありません。
本人の痛みは大きな筋骨格系の原因がある場合と同じです。
原因がほとんどなくても痛みを感じるので、歪みの調整や運動など血流改善だけでは対処出来ないことがあります。
最近では認知行動療法など、さまざまな対処法も出てきています。
痛みを諦めず、整体師だけでなく医師にも相談してください。