解剖学と触診
昨日は解剖学と指針整体の授業でした。
初めて解剖学の授業を受ける生徒さんがいる時には、最初に必ず本の紹介をします。
解剖学関連の本です。
それをいくつかの種類に分けて紹介しています。
一つは解剖学の専門書で、言葉で沢山説明されているものとの多いもの。
ネッターの解剖学図譜やプロメテウス解剖学アトラスなんかです。
もう一つは読み物としての解剖学と生理学などの本です。
そして、題名に解剖学と言う言葉の入っているような本。
僕の場合は養老孟司先生や三木成夫先生などです。
養老先生は「バカの壁」を書かれた先生で、勝手に師匠と思っています。
その養老先生の師匠筋にあたるのが三木先生で、「胎児の世界」などで有名な発生学や比較生物学の先生です。
解剖学の話題やトピックを題材に様々な話が展開されるものが多いです。
最後に読み物としての解剖学関連・周辺のような本です。
ここでは「動的平衡」や「類人猿を立たせた小さな骨」「脳はなぜ『心』を作ったか。」など、分子生物学者や脳科学の先生が書かれた本です。
一番、読みやすいものから始めるのが良いと思います。
解剖学はモノ(体)に名前をつけていく学問ですが、名前がつくとソノモノがあるように感じます。
だからとそのものがあるかどうかは分からない。
例えば器官としての「肛門」はありますが「口」はない。
(「口唇」はありますけどね。)
モノを見た時に、それがどんな風に動くのかとか働くのかと考える必要が整体師にはあるように思います。
そういう意味では「解剖学と生理学」は「構造と機能」であり「形と働き」です。
だから骨の名前も大切だけど、もっと重要なのは骨の形で、その形だからどんな風に動くのかが決まってくる、ってことを勉強して欲しい。
なんて話を最初にしています。
昨日は見学者も合わせて5人で授業でしたが、今日は雪もあって一人の参加。
しかも新入生の人でした。
まずは触診の練習です。
触診する場所や手の添え方・身体の使い方の話をして、ついでに骨の位置の話など。
ミズキ君(骨格模型)に横になってもらって授業を進めました。
触診は基本です。
整体師はやっぱり手と目。
どんなに素敵なテクニックだって、患者さんの歪みや動きが分からなければ、どこで使って良いか分からない。
逆に歪みや動きの悪さが分かって、骨の形・筋肉の位置がわかっていれば、なんとかなります。
出っ張っていれば押し込めばイイんです。(笑)
極論すればですけどね。
雪の中、歩いてきた新人さん。
がんばって行きましょう。
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一度だけ講習を受けて、練習もしないで出来るようになるって、どう言うことなんだろう。
すみません。
愚痴です。
最近、こう言うセミナーや講座が増えてきたように思います。
僕の知人友人の先生方は10年選手が増えてきているので、こう言う講座はやってません。
一度しか出来ないのなら、伝える内容を厳選して抽出して、核となる部分だけ伝えているようです。
細かなテクニックよりは考え方だったり、基本の身体の使い方だったり。
それがどうも最近、いろいろと講座が増えてきているようで、一度きりで使えるようになるなんてものが増えているようです。
それってどうなんだろうと思います。
一度、受けただけで出来るようになる人がいない訳ではない。
でも、殆どの人は一度だけでは出来るようにはなりません。
「出来るようになったつもり。」にはなります。
でも、出来るようにはならないと思う。
あるいは、結果出来たとしても、想定外のことが起きた時に対処は出来ない。
だって一度しか受けていないから、やり方しか習っていないはずだから。
てあて整体スクールは繰り返し練習します。
特に触診と指針整体は繰り返し練習です。
なんどでも練習します。
順番を覚えるだけなら、触診なら10分もあれば覚えられます。
指針整体だって2時間もあれば説明は出来ます。
でも、それじゃあ出来るようになった訳ではない。
触診なら3ヶ月4ヶ月経ってきてやっと、ズレが分かったり動きの悪さが分かるようになります。
指針整体などは半年以上練習しないと、自分の身体に染み込まない。
だから繰り返しです。
面倒かもしれません。
同じことばっかりやりますから。
でも、半年や1年くらいで自分の身体に基準が出来たとしたら。
こんなに凄いことはないと思います。
だから、一度教えただけで卒業は出来ません。
繰り返し練習してもらいます。
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骨がズレる歪むと言うことについて。
整体院に行くと「骨がズレているから治します。(直します。)」とか、「痛みの原因は骨盤の歪みですね。」などと言われます。
何となくそうなんだろうと思ってはいるものの、実際にどうなっているのか具体的には分かりにくいですね。
だいたい、骨の歪みが触れただけで分かるのか、診ただけで分かるのかと思います。
レントゲンを撮った訳でもないのに、どうして整体師はそんな事を言うんでしょう。
それにどうして歪みやズレを治そうとするんでしょう。
骨の歪みやズレとは、いつもとは違う位置で固定されている状態です。
例えば、顔を右にして右側の何かを見れば、7つある首の骨(頚椎)はズレます。
一つ一つが少しつズレることによって、首の上にある頭は右を向くことが出来る。
これは異常でもないし問題でもありません。
でも、骨が右を向いてズレたまま固定されたら問題です。
整体師が言っているのはそういうことです。
本来は戻ってくるはずのズレが、ズレたまま固定されていると言うことです。
ではズレは触れただけで分かるのか。
分かります。
実はズレだけじゃなくて他にもいろいろと分かります。
でも最初からは分かりません。
入学したばかりの生徒さんは触診でちょっと苦労します。
最初は骨があると言うことが分かれば良い。
ズレは数ヶ月かかると思った方が良いです。
ま、本当は最初から分かっているんですが、それを言語化できない。
そうだ、と言い切れない。
判断や決めることができないのが最初の頃です。
それを判断していく練習が触診の練習と言うことになります。
ズレが固定されると何が問題なんでしょう。
骨がズレても歪んでも、その骨に付着している靭帯や筋肉・筋膜・腱は同じ部位に付着しています。
そうなると靭帯や筋肉・筋膜・腱などは歪んでしまうことになります。
歪んでしまうと筋肉・筋膜・腱などに分布している毛細血管も歪みます。
血管が歪むとホースを歪めたように、中が細くなったり捻れたりして血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなると、酸素や栄養素の供給が悪くなり、疲労物質の流れも悪くなります。
結果、筋肉や筋膜・腱は硬くなることがある。
全てが全てとは言いませんが、それが腰痛・肩こり・膝痛などの原因になっていたりする。
また、靭帯は引っ張られたままや縮んだまま固定されるので、動きが悪くなって行きます。
靭帯や筋肉・筋膜・腱などの動きが、一部ズレた場所だけ悪くなると、体の動きのバランスが崩れます。
今まで使っていなかった筋肉を使ったり、普段と違う筋肉を使ったりします。
そのことが疲労を増やしたり、痛みの原因になったりします。
だから調整して元に戻す。
元に戻すのは、ズレよりも動きのことを考えます。
ズレていても動きがあれば、問題は小さくてすみます。
だから動きを調整することを考えながらやります。
以前、大田区の旋盤工の方の話を聞いたことがあります。
下町ロケットの世界ですね。
手指の感覚の話です。
金型を削った最後は、手指を滑らせて確認するそうです。
手指の感覚は1000分の1ミリが分かるそうです。
体のズレは1000分の1まで分かる必要はないかもしれません。
10分の1ミリならトレーニグすれば誰だって分かるようになるでしょう。
触診は練習をすれば、かなりな精度で分かるようになります。
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触診で何が分かるのか。
触診は手技療法の基本と言われます。
骨格調整は触診で7割が決まるとも言われます。
長年手技をされている先生方には当然の事ばかりですが、触診する時に考えている事や注意することなど書いてみようと思います。
触診は変わります。
経験数や触れ方によってどんどん分かることが変わる。
「解像度が上がる。」感覚です。
最初は触知できなかったことが、少しずつ分かってくるようになる。
それは方法を変えたからと言うことではなく、数、です。
どうしても数をこなさないといけない。
でも、数、だけではない。
触れている時に、何に触れているのか、何を知ろうとしているのかを考えて触れることです。
カクテルパーティー効果って聞いたことありますか。
カクテルパーティーでは目の前で喋っている人の声が良く聞こえます。
でも同じ場所に集音マイクを置いて録音すると、目の前で喋っている人の声は、他の人や雑踏と同じ音のレベルになっている。
雑音の中に埋もれてしまって、聞き取利にくくなります。
人は目の前の人や聞きたいと思っている人の声を、選択的に聞き取る能力や性質があります。
触診も同じ。
何に触れようとしているかを考えながら触れるようにします。
そうするとソレのことが触知しやすくなる。
例えば骨。
例えば筋膜。
例えば筋肉。
例えば内臓、血管(血流)、リンパ、水分、呼吸 ・・・
今、何に触れようとしているのか。
それを念頭に置いて練習します。
もう一つ。
洋服や皮膚以外は、直接触れられない。
ってことです。
触診の最初は、骨のズレを感じるようにしたりします。
骨は皮膚の下、筋肉お底の方にあります。
なのでどうしても強く押してしまう。
でも、直接は絶対に触れられないんです。
骨の上の骨膜の上の筋膜に包まれた筋肉の上の皮下組織の上の皮膚の上の洋服の上からしか触れることは出来ない。
強く押してしまうと、筋肉の反射によって筋肉が硬くなり分かりにくくなってしまうことさえある。
だからソフトに。
骨を感じようと思って。
海底の地形を探るソナーのように触れていきます。

こんな感じです。(青が指、黒が骨)
強く押し付けない。
触診には他にも色々と注意があります。
それはまた別の機会に。
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