作風
東京藝大の卒展を見てきました。
卒展と言うのは卒業制作の作品展示会のことだと思います。
上野の東京藝術大学校内の美術館や研究室のようなアトリエのような場所での展示でした。
お目当ての卒業生がいます。
たぶん大学院を今年卒業する井田幸昌さんです。
彼のことはインスタグラムで知って最近見始めました。
色が綺麗で構図が美しくスタイルのある作品を描いていると思います。
たぶん30歳前後でとても若い作家さんです。
彼の作品もありました。
インスタグラムで見ていたものとは少し印象が違いました。
少し違うだけで全然違う訳ではありませんでした。
もちろん作家なので同じようなタッチの同じような画風の作品ばかりではありませんが、何か少し違った印象があった。
ま、卒展はこれくらいで、みたいなセリフが聞こえてきそうな印象もなくはなかった。
他の卒業生さんの作品を見ていても思いましたが、力の入り方が微妙な作品が多かったような気がしてならない。
全面的に好きなことやってる感じがイマイチ感じられないような印象もありました。
卒展だから仕方がないのかもしれません。
卒論みたいなもんですからね、変なものは出せないんだろうか。
それにしても、と少し思いました。
アートを目指す時にはそうなのかもしれないと思うことがあります。
通過儀礼と言うか、一度は経験しておかないといけないパターンと言うか、若い時期に作って見たくなる作品と言うか作風と言うか、自分のスタイルを創る前に一度はやってみること・考え方・ものの味方、のようなものがあるのではと。
それは、アレに似ているとか、一度は見たことがあるとか、あああアレね、とかそういう作品です。
それは必要なのか。
アートの世界ではもうそれは必要がないかもしれないと聞いたことがあります。
画家を目指すのにデッサンの練習は果たして必要なのか。
ダンサーを目指すのにダンスの練習は果たして必要なのか。
考えすぎると難しいですね。
小説家の開高健さんが「もうこの世には書かれたいないことはないんじゃないか。結局、作家には文体を残すことしかないのではないか。」と言うようなことを言っていました。
内容ではなくて文体・作風です。
それは画家や彫刻家や美術家の人にも言えるのではと思っています。
ダンスにも言えると思います。
では他の仕事ではどうなんでしょうか。
それはビジネスモデルってことなんでしょうか。
でもこれはちょっと違うか。
武術の世界では守破離と言うことが言われます。
これは同じような話なのか。
まとまりがないですね。
でもたまにはこういう文章も暇つぶしに良いでしょう。
藝大卒展でいろいろ考えました。