ニュートラル(自然)の難しさ。
札幌に行った時の話です。
数年前まで息子が札幌に住んでいた関係で、年に数回札幌に行っていた時期がありました。
入学式や卒業式、息子の様子を見るだけの時もありましたし、セミナーやワークショップをやった時もありました。
合計で10回くらいは行ったと思います。
そこで不思議な体験をしました。
厳密には不思議な体験ではなく、不思議な感覚に襲われました。
一つは地下鉄の駅の路線掲示です。
これはたまに札幌以外でも見ることがありますが、路線図の上が南になっていて下が北になっていました。
それで!?
と思う人は思うと思うんですが、これがとてもたまらなく不思議な感覚に襲われます。
上下が逆転している感じになるんです。
通常。
北半球の地図は上が北になっていて下が南になっています。
それに慣れているからか、地図は上が北というのが自分の頭の中でデフォルトになっています。
以前、オーストラリア旅行をした人に世界地図を買ってきてもらった時、上が南で下が北になっている地図を見て、頭が捻れそうになったのを思い出します。
頭の中で変換が出来ないんです。
もう一つは川の流れです。
札幌には創成川という小さな川が駅の近くを流れています。
その川沿いのホテルに泊まったことがありました。
昼間に川の流れ見ていたら、だんだん変な感覚、不思議な感覚に襲われました。
なんだろうなんだろうと考えていたら、逆なんです。
流れが逆。
荒木は三重県四日市の出身です。
四日市は伊勢湾に面した街です。
伊勢湾は太平洋に開けた湾です。
多くの太平洋岸の都市と同じく、海は南か東にあります。
川の流れは、南や東に向いています。
それが札幌では逆なんです。
昼間、太陽の位置と川の流れが逆に見える。
かなり不思議な感覚でした。
奥さんと一緒に行った時にその話をしたら、新潟出身の彼女は違和感がありませんでした。
そりゃそうです。新潟は日本海側で北か西に海があります。
川の流れも札幌と同じような方向になります。
それだけの話。
でも違和感は誰がどんな風に感じるかは、その人の生まれ育った環境で違うんだろうなと思います。
ニュートラルや自然な状態というのは、誰にとっても同じという訳ではないですね。
久能整君じゃないけど、「事実は一つだけど、真実は人の数だけある。」ってことなんでしょう。